映画『ブンミおじさんの森』のあらすじとレビュー|病がひどくなっている主人公の目の前に現れた妻の幽霊に導かれ深い森の奥へと足を踏み入れていく物語

洋画

2011年3月5日に公開された映画『ブンミおじさんの森』。
この記事では、映画『ブンミおじさんの森』のあらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『ブンミおじさんの森』の予告編

病がひどくなっていることを悟ったブンミは、亡くなった妻の妹を呼び寄せ、いつも世話をしてくれる青年らとともにつかの間のひとときを楽しみます。

そんな中、彼らの目の前に突如、妻の幽霊や、長年行方不明のままになっている息子が毛むくじゃらの怪人の姿になって現れます。

妻の幽霊に導かれるまま、ブンミは深い森の奥へと足を踏み入れていきます。

映画『ブンミおじさんの森』のあらすじ

腎臓の病気を患い、余命わずかとなった中年男ブンミ。

森の中にある自宅に招いた亡き妻フエイの妹であるジェンやラオス出身の出稼ぎに来ている青年たちとのつかの間の交流を楽しむ中、突如目の前に女の幽霊が現れます。

その幽霊の正体は、今は無き妻でした。

そんな奇跡的な再会に喜ぶブンミたちでしたが、今度は、全身毛むくじゃらで赤目の怪人が家に上がり込んできます。

ジェンらは不気味がるものの、その怪人が長年行方不明になっている息子ブンソンであるとブンミにはなぜか解ります。

やがてブンミは、妻フエイに導かれるまま、深い森の奥へと足を踏み入れていきます。

映画『ブンミおじさんの森』の解説

2010年に公開された「ブンミおじさんの森」は、美術作家としても世界的に活躍しているアピチャートポン・ウィーラセータクン監督・脚本によるタイ映画です。

そんな本作は、第63回カンヌ国際映画祭においてタイ映画史上初の「パルムドール(最⾼賞)」を受賞しました。

なお、受賞に際して審査委員長自らが、「この映画には私がこれまでに見たことがないファンタジーの要素があり、それは美しく、奇妙な夢を見ているようだった」というコメントを残しています。

世界中の人々に驚きを与えた、まさに奇作と呼ぶにふさわしい名作映画です。

映画『ブンミおじさんの森』のみどころ

本作の最大の見どころは、その独特の世界観にこそあります。

実際に本作の監督であるアピチャッポン・ウィーラセタクン自身、インタビューで「鑑賞ではなく体験してほしい」と答えています。

まさにその通り、映画「ブンミおじさんの森」は、単純にストーリーを追い、その内容を理解する。

そのような楽しみ方をする作品ではありません。

そもそもストーリーと呼べるものも基本的に存在せず、静止画によるスライドショーをはさみながら脈絡なく物語が進みます。

そのため、映し出される混沌とした風景に抗うことなく身を委ね、他では味わうことができない感覚を体験できるところこそが本作ならではの魅力です。

映画『ブンミおじさんの森』の感想

第63回カンヌ国際映画祭においてタイ映画史上初のパルムドールに輝いた「ブンミおじさんの森」。

この世とあの世の時間の概念にとらわれることのない描写を通して、美しい夢を見ているような奇妙な感覚を楽しめます。

日常の喧騒から少し離れたい。そんな気分の時におすすめの作品です。

映画『ブンミおじさんの森』の登場人物・キャスト

映画『ブンミおじさんの森』のキャストをご紹介します。

  • ブンミ:タナパット・サーイセイマー
  • ジェン:ジェンチラー・ポンパス
  • トン:サックダー・ケァウブアディー
  • フエイ(ブンミの妻):ナッタカーン・アパイウォン

映画『ブンミおじさんの森』のスタッフ

映画『ブンミおじさんの森』の作成スタッフをご紹介します。

  • 監督:アピチャートポン・ウィーラセータクン
  • 脚本:アピチャートポン・ウィーラセータクン
  • 製作:アピチャッポン・ウィーラセタクン、サイモン・フィールド キース・グリフィス、シャルル・ド・モー
  • 撮影:サヨムプー・ムックディプローム
  • 編集:リー・チャータメーティクン