映画『トウキョウソナタ』のあらすじとレビュー|主人公はある日リストラされ家族に打ち明けられない悩みを抱えそこから家族が再生するまでの物語

邦画

2008年9月27日に公開された映画『トウキョウソナタ』。
この記事では、映画『トウキョウソナタ』のあらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『トウキョウソナタ』の予告編

どこにでもいる平凡な4人家族の佐々木家。

父竜平は、長年務めてきた会社をある日リストラされてしまいます。

その事実を家族に打ち明けられない中、妻や息子たちそれぞれも、心の中に誰にも言えない悩みを抱えていました。

キャッチコピー「ボクんち、不協和音。」の言葉通り、次第に崩壊へと進んでいく佐々木家。

そこから家族が再生するまでの物語が描かれます。

映画『トウキョウソナタ』のあらすじ

東京の街で暮らす佐々木家は、一見ごく普通の4人家族でした。

ただ、仕事に邁進してきた父竜平は、長年勤めていた会社にあっさりリストラを宣告されてしまいます。

しかし、竜平はその事実を家族に伝えられません。

毎朝これまでと同じようにスーツを着て家を出、公園などで時間をつぶす毎日を送っていました。

また、世の中に対する懐疑心を深めていた長男貴も、いつの間にか家族から距離を置くようになります。

小学生の次男健二は家族に内緒でピアノ教室に通い続け、さらに、一家のまとめ役であったはずの妻恵の心の中にも異変が起き始めます。

佐々木家がたどる運命とは?!

映画『トウキョウソナタ』の解説

世界中に熱狂的なファンを持ち、これまでに「回路」や「カリスマ」などの数多くの名作を手掛けてきた黒澤清監督。

そんな黒澤監督が描き出す、現代の東京で暮らすごく普通の家族の崩壊と再生を描き出した作品こそが映画「トウキョウソナタ」です。

また、本作自体、日本だけでなくオランダの映画会社を含めた日本・オランダ・香港の合作映画となっています。

なお、本作は第61回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞や第10回アジア・アラブ映画祭大賞、第44回シカゴ国際映画祭審査員大賞などの数多くの賞を受賞しており、世界的に高い評価を得ています。

映画『トウキョウソナタ』のみどころ

映画「トウキョウソナタ」では、東京の街で暮らす平凡な家族の崩壊から再生までが描かれています。

そんな本作ゆえ、その最大の見どころは、家族のきずなを見つめ直す、あるいは考えさせられるきっかけをくれる人間ドラマにこそあります。

特に、黒澤清監督によって描かれる、どんな人の心の中にもある嘘や疑心暗鬼をきっかけに、ありふれた家庭が崩壊してくさまは、現代社会が抱えているさまざまな社会問題を浮き彫りにしているようにも見えます。

そして、そんな誰にとっても身近な問題を監督ならではの独特の緊迫感のもと、サスペンスフルに描きだす演出も本作の見どころです。

映画『トウキョウソナタ』の感想

今まで普通に幸せな生活を送っていた家族の崩壊から再生までを描いた映画「トウキョウソナタ」。

ほんの少しのボタンのかけちがえをきっかけに繰り広げられるその物語からは、恐怖とともに、家族のきずなを見つめ直すきっかけをもらえます。

映画『トウキョウソナタ』の登場人物・キャスト

映画『トウキョウソナタ』のキャストをご紹介します。

  • 佐々木竜平:香川照之
  • 佐々木恵:小泉今日子
  • 佐々木貴:小柳友
  • 佐々木健二:井之脇海
  • 金子薫:井川遥
  • 小林先生:児嶋一哉(アンジャッシュ)
  • 黒須:津田寛治
  • 強盗:役所広司
  • 良介:皆木勇紀
  • 黒須美佳:土屋太鳳
  • ニュースのアナウンサー:峰剛一、小林央子

映画『トウキョウソナタ』のスタッフ

映画『トウキョウソナタ』の作成スタッフをご紹介します。

  • 監督:黒沢清
  • 脚本:マックス・マニックス 黒沢清 田中幸子
  • 製作総指揮:小谷靖 マイケル・J・ワーナー
  • 音楽:橋本和昌
  • 撮影:芦澤明子
  • 編集:高橋幸一