映画『グレースと公爵』のあらすじとレビュー|フランス革命の激動の時代が近づくロマンスヒストリー作品

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ルイ16世を敬愛している女性グレース・エリオットは、オルレアン公爵と深い絆で結ばれる関係であるが、彼は王党を支持するグレース・エリオットとは敵対する革命派でした。

しかしグレース・エリオットとオルレアン公爵は、人として惹かれ合う良い関係です。

そんな二人の関係とは裏腹に、パリの街中はフランス革命に向かってどんどん荒れてゆき、話は続きます。

2001年9月7日に公開された映画『グレースと公爵』は、第58回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を獲得しています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『グレースと公爵』の予告編

<グレースと公爵・予告編>

1970年のパリは、フランス革命を前に激動の時代を迎えています。

イギリス人女性グレース・エリオットは王党派で、フランスの国王であるルイ16世に信頼を置いていました。

しかし、敵対する革命派につくオルレアン公爵とは恋愛関係を築き深い絆で繋がっています。

フランス革命が本格化し、グレース・エリオットが信頼を寄せるルイ16世の処刑が現実的になってきた時に2人の関係はどうなるのでしょうか。

映画『グレースと公爵』の解説

エリック・ロメール監督によるロマンスヒストリー映画です。

2001年にフランスで公開されました。

2001年に開催された第58回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞を獲得しています。

エリック・ロメール監督は、あくまで自然な映像にこだわりを持ちこの作品を製作しています。

そのこだわりは、映像としてのアングルや構成はもちろん、小物や衣装にまで現れています。

キャッチコピーに「戦わず、逃げもせず、ただ信じているだけ。」とある様に、革命の中に生きる女性の立場が描かれています。

当時のリアルなパリの風景を再現する事に成功しており、ヴェネチア国際映画祭では高い評価を受けました。

映画『グレースと公爵』のあらすじ

イギリス人でありながら、ルイ16世を敬愛している女性グレース・エリオットは、革命が近づくパリの動乱の中で生活をしています。

パートナーのオルレアン公爵とは深い絆で結ばれる関係であるものの、彼は王党を支持するグレース・エリオットとは敵対する革命派でした。

それでも2人の関係は、人として惹かれ合うものがあり良い関係です。

そんな中、パリの街中はフランス革命に向かってどんどんと荒れてゆきます。

ルイ16世の処刑裁判が始まると、グレース・エリオット含める王党派は処刑の免除を訴えます。

グレース・エリオットと革命派のオルレアン公爵の関係も、革命と共に激変してゆく事となるのでした。

映画『グレースと公爵』のみどころ

グレースと公爵の見どころとしては、まるで当時のパリにタイムスリップしたかの様な風景です。

街中を行き交う人々や、セットの再現性がとても高く、見応えがあります。

エリック・ロメール監督は、画角の広さを意識して、背景もしっかりと映る様に撮影しています。

また、役者の衣装は手縫いと指定していました。

これは当時の衣服がそうであった様に、手縫いで仕立てる服の雰囲気を大切にしたかったようです。

また、グレースと公爵の関係を通して、支持している政治的立場と、人間関係のバランスを保つ当時の難しさが象徴されています。

革命という出来事を控えた市民の日常生活も見どころです。

映画『グレースと公爵』の感想

現代では考えられない激動の流れに圧倒されてしまいます。

ひとたび大きな声で自分の意見を言おうものなら、即ギロチンにかけられてしまう恐ろしい時代です。

法は崩壊しつつあり、市民の暴走も止まりません。

自分がこんな世の中に生まれていたらと想像するとゾッとします。

映画『グレースと公爵』の登場人物・キャスト

グレースと公爵の登場人物・キャストをご紹介します。

グレース・エリオット:ルーシー・ラッセル
オルレアン公爵:ジャン=クロード・ドレフュス
デュムーリエ:フランソワ・マルトゥレ
ナノン:キャロリーヌ:モラン
ファンシェット:ロセット

映画『グレースと公爵』のスタッフ

グレースと公爵のスタッフをご紹介します。

監督:エリック・ロメール
製作:フランソワーズ・エチュガレー
製作総指揮:フランソワ・イヴェルネル
ロメイン・ル・グラン
レオナルド・グロウィンスキー
撮影:ディアーヌ・バラティエ
絵画:ジャン=バティスト・マロ
衣裳:ナタリー・シェネイ