群像劇として22人全員が主人公の扱いで、登場人物が各々の意思を持って動き回り、先の読めない展開になっています。
物語が進むに連れて、無関係に思えた人物たちが、意外なところで繋がっていたりして、話が続きます。
1994年10月8日に公開された映画『ショート・カッツ』は、ヴェネツィア国際映画祭で最高賞である、金獅子賞を受賞しました。
この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。
映画『ショート・カッツ』の予告編
<ショート・カッツ・予告編>
「ショート・カッツ」は、総勢22人の登場人物の様子が描かれる群像劇です。
警察官や9歳の少年、電話で性産業に従事する人妻など、老若男女幅広い人が登場します。
そのような個性豊かな人物たちの様子を、切り替わるシーンと共に追いかけていく作品です。
あくまでも群像劇であるため、メインとなるストーリーは存在しません。
映画『ショート・カッツ』の解説
「ショート・カッツ」は、1993年にアメリカで公開された映画です。
そして、アメリカを代表する小説家、レイモンド・カーヴァーの作品を原作としています。
原作となったカーヴァーの作品は、ひとつではありません。
9つの短編集とひとつの詩が使用されています。
その原作では本来繫がりのない作品を、群像劇としてまとめてあるのが特徴です。
監督であるロバート・アルトマンは、「ナッシュビル」や「ザ・プレイヤー」などの群像劇でも、高い評価を得ています。
「ショート・カッツ」も例外ではなく、ヴェネツィア国際映画祭で最高賞である、金獅子賞を受賞しました。
映画『ショート・カッツ』のあらすじ
ロサンゼルス郊外に住むチェリストのゾエは、願望を持っていました。
そのゾエの家の隣に住む、アンの息子ケイシーは、ドリーンの運転する車にはねられてしまいます。
しかし、ケイシーは無事だと言い、家に帰ってしまいます。
ドリーンはそのことを、夫のアールに話します。
そのアールは、ゾエの母親テスが歌手をしているバーの常連客でした。
一方、警察官のジーンは、愛人であるベティと密会を繰り返します。
そのことを知ったベティの元夫ストーミーは、ベティの家に忍び込み、家具を破壊します。
そのように、同じロサンゼルスで暮らす人々が、複雑に絡み合っていくストーリーです。
映画『ショート・カッツ』のみどころ
「ショート・カッツ」の見どころは、主要な登場人物が22人もいる、群像劇である点です。
車にはねられるケイシーのストーリー比重が大きいですが、ケイシーが主人公というわけではありません。
22人全員がメインの扱いで、それぞれの物語が描かれます。
その、登場人物が各々の意思を持って動き回り、先の読めない展開になっていくのが、楽しめるポイントです。
また、物語が進むに連れて、一見すると無関係に思えた人物が、意外なところで繋がっていきます。
その繋がりが生まれる様子も、楽しめるでしょう。
登場人物が多い上に、それぞれ個性があるため、複数回視聴しても楽しめる作品です。
映画『ショート・カッツ』の感想
「ショート・カッツ」は、22人という大勢の動向がきれいにまとまっている、上質な群像劇です。
そのため、群像劇をまだ視聴したことがない人におすすめです。
また、1993年だからこそ実現できた、豪華なキャストにも着目すると良いでしょう。
映画『ショート・カッツ』の登場人物・キャスト
ショート・カッツの登場人物・キャストをご紹介します。
アン・フィニガン:アンディ・マクダウェル
ハワード・フィニガン:ブルース・デイヴィソン
ポール・フィニガン:ジャック・レモン
マリアン・ワイマン:ジュリアン・ムーア
ラルフ・ワイマン:マシュー・モディーン
クレア・ケーン:アン・アーチャー
スチュアート・ケーン:フレッド・ウォード
ロイス・カイザー:ジェニファー・ジェイソン・リー
ジェリー・カイザー:クリス・ペン
ハニー・ブッシュ:リリ・テイラー
ビル・ブッシュ:ロバート・ダウニー・Jr
シェリー・シェパード:マデリーン・ストー
ジーン・シェパード:ティム・ロビンス
ドレーン・ピゴット:リリー・トムリン
アール・ピゴット:トム・ウェイツ
ゴードン・ジョンソン:バック・ヘンリー
ベッツィ・ウェザーズ:フランシス・マクドーマンド
ストーミー・ウェザーズ:ピーター・ギャラガー
アンディ:ライル・ラヴェット
ゾエ・トレイナー:ロリ・シンガー
映画『ショート・カッツ』のスタッフ
ショート・カッツのスタッフをご紹介します。
監督:ロバート・アルトマン
脚本:ロバート・アルトマン、フランク・バーハイト
キャラクター原案:レイモンド・カーヴァー
製作:ケイリー・ブロコウ
製作総指揮:スコット・ブッシュネル
音楽:マーク・アイシャム
撮影:ウォルト・ロイド
編集:ジェラルディン・ペローニ