映画『カラスの飼育』のあらすじとレビュー|両親の不仲や命に対する考え方など心が発達していない子ども目線で描かれた作品

洋画

主人公である少女のアナは、姉や妹と一緒に、マドリードで暮らしていました。

母親は、父親から愛されておらず、母親は不幸の内に命を落としてしまいます。

それからあまり経たない内に父親も亡くなり、話が続きます。

1976年1月26日に公開された映画『カラスの飼育』は、カンヌ国際映画祭では、審査員特別グランプリを受賞しています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『カラスの飼育』の予告編

<カラスの飼育・予告編>

少女であるアナは、マドリードで家族と暮らしていました。

しかし、母が病で命を落とし、父もすぐに亡くなってしまいます。

アナは、母親を愛さない父親を恨んでいました。

そして、自ら父親を手にかけたと誤解します。

身寄りがなくなったアナは、伯母に引き取られますが、アナと伯母の仲は良くありません。

アナは、伯母の命も奪おうと考え始めます。

映画『カラスの飼育』の解説

「カラスの飼育」は、1976年に制作されたスペイン映画です。

「ミツバチのささやき」で注目を浴びた、アナ・トレントの、主演第2作目です。

監督であるカルロス・サウラが、アナに熱烈な出演依頼をし、制作が決まったという経緯があります。

そして、第29回のカンヌ国際映画祭では、審査員特別グランプリを受賞しています。

舞台となるのは、内戦が起こっているスペインです。

マドリードに住む子ども目線で、ストーリーが進行していきます。

また、スペイン内戦に関する、比喩が取り込まれているのが特徴です。

ただ、スペインの内情について知らなくても、ストーリーの把握は可能です。

映画『カラスの飼育』のあらすじ

主人公である少女のアナは、スペイン軍人の家の子でした。そして。姉や妹と一緒に、マドリードで暮らしていました。

けれど、母親は、父親から愛されていませんでした。

そして、母親は不幸の内に、命を落とします。

それからあまり時間が経たない内に、父親も亡くなります。

アナはその時、自ら父親を手にかけたと思い込みます。

身寄りがなくなったアナたち3姉妹は、伯母に引き取られることとなります。

しかし、アナと伯母の仲は良くありません。

アナは伯母のことを鬱陶しく感じ始めます。

そして、ある日、アナと伯母は大きなケンカをしてしまいます。

それをきっかけに、アナは伯母を、父親と同じ目に遭わせる決心をするというストーリーです。

映画『カラスの飼育』のみどころ

「カラスの飼育」の最大の魅力は、主人公アナの子どもらしさです。

両親の不仲や、命に対する考え方などが、心が発達していない子ども目線で描かれます。

また、ただ純粋なだけではなく、子どもならではの残虐性も表現されています。

アナは、気に入らない伯母や祖母を、自分勝手な理由で排除しようとします。

そのような、良い部分も悪い部分も合わせた、子どもらしさを実感できる作品です。

そして、アナを演じた、アナ・トレント自身が、非常に魅力的です。

デビュー作の「ミツバチのささやき」で見せた、何かを見据えるような視線は、この作品でも健在です。

映画『カラスの飼育』の感想

「カラスの飼育」は、独特のミステリアスな雰囲気を持った作品です。

そして、自身の子どものころと重なり、共感できる部分があるかもしれません。

また、子ども感性や周囲を取り巻く環境など、考えさせられることが多い作品でもあります。

映画『カラスの飼育』の登場人物・キャスト

カラスの飼育の登場人物・キャストをご紹介します。

アナ:アナ・トレント
アナ(成人):ジェラルディン・チャップリン
母:ジェラルディン・チャップリン
父:エクトール・アルテリオ
姉:コンチータ・ペレス
伯母:モニカ・ランドール
家政婦:フロリンダ・チコ
ニコラス・ガロンテス:ヘルマン・コボス
祖母:ホセフィナ・ディアス

映画『カラスの飼育』のスタッフ

カラスの飼育のスタッフをご紹介します。

監督:カルロス・サウラ
脚本:カルロス・サウラ
製作:エリアス・ケレヘタ
撮影:テオドロ・エスカミーリャ
編集:パブロ・ゴンザレス・デル・アモ