ブラジルアマゾンで暮らしている先住民の老婆が、子どもを授かりますが、生まれたのは赤ん坊ではなく、黒人の中年男性でした。
ある日、彼は泉の水を浴びますが、その泉には魔法がかかっており、美しい白人の若者へと姿を変え、話が続きます。
2010年12月4日に公開された映画『マクナイーマ』は、古い映画でありながら、熱狂的なファンからの支持を受け、その結果、2010年にデジタルリマスター化された上で、日本公開が実現しています。
この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。
映画『マクナイーマ』の予告編
<マクナイーマ・予告編>
アマゾンのジャングルで暮らしていた老婆は、子どもを出産します。
ただ、その子どもは、黒人の中年男性の姿をしていました。
そして、その男性は、不幸という意味の、マクナイーマという名前を付けられます。
ある日、マクナイーマは、魔法の泉の力によって、白人男性へと姿を変えます。
そのことをきっかけに、大都会リオデジャネイロに繰り出すのでした。
映画『マクナイーマ』の解説
「マクナイーマ」は、1969年に制作されたブラジル映画です。
ブラジルでは、1960年に、シネマ・ノーヴォという映画運動が湧き起りました。
「マクナイーマ」は、その映画運動を代表する作品のひとつです。
シネマ・ノーヴォを率いたジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデが、監督を務めています。
ただ、制作当時、日本では公開されませんでした。
しかし、古い映画でありながら、熱狂的なファンからの支持を受けました。
さらに、後年になってから、その魅力が再確認されるようになりました。
その結果、2010年にデジタルリマスター化された上で、日本公開が実現しています。
映画『マクナイーマ』のあらすじ
ブラジルアマゾンで暮らしている先住民の老婆が、子どもを授かります。
しかし、生まれたのは赤ん坊ではなく、黒人の中年男性でした。
生まれた男性は、不幸という意味のマクナイーマという名前を付けられてしまいます。
そして、ある日、マクナイーマは泉の水を浴びました。
その泉には魔法がかかっていて、マクナイーマは美しい白人の若者へと姿を変えます。
そのことに喜んだマクナイーマは、兄弟を連れて、故郷であるアマゾンを抜け出します。
彼らの向かう先は、大都会のリオデジャネイロでした。
マクナイーマは、姿は大人ですが、生まれてから時間が経っていない純粋な若者です。
その純粋さで、様々なトラブルを起こしていきます。
映画『マクナイーマ』のみどころ
「マクナイーマ」の見どころは、非常にシュールかつブラックな内容です。
老婆が中年男性を出産するという、始まりの時点で、すでにシュールな展開です。
そして、それ以降もグロテスクなシーンが笑えるように演出してあるなど、歪んだユーモアが数多く登場します。
そのため、ブラックユーモアが好きな人は、楽しめることでしょう。
また、コメディでありながら、社会的なテーマが取り上げられているのも見どころです。
かつて外国人から攻め込まれたブラジルの歴史的背景が、自虐として織り込まれています。
さらに、公開当時の政治情勢も取り上げられているなど、考えさせられる内容です。
映画『マクナイーマ』の感想
「マクナイーマ」には、重いテーマが、比喩的な表現として数多く含まれています。
そのため、何度も視聴して、どういったテーマがあるのかを探るのも良いでしょう。
また、ブラックコメディ映画として、純粋に楽しむことも可能です。
映画『マクナイーマ』の登場人物・キャスト
マクナイーマの登場人物・キャストをご紹介します。
黒人のマクナイーマ:グランヂ・オテロ
白人のマクナイーマ:パウロ・ジョゼ
Ci:ヂナ・スファッチ
ヴェンセスラウ・ピエトラ・ピエトロ:ミウトン・ゴンサウヴェス
映画『マクナイーマ』のスタッフ
マクナイーマのスタッフをご紹介します。
監督:ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ
原作:マリオ・デ・アンドラーデ
撮影:ギド・コズリッチ
美術:アントニオ・メデイロス