1981年1月31日に公開された映画『チャンス』。
この記事では、映画『チャンス』のあらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『チャンス』の予告編
純粋な気持ちの持ち主である庭師が世間を知らずに大人になってしまい、雇われていた屋敷を追い出されてしまいます。
彼は街をさまようのですが、不思議な出会いによって、わらしべ長者のように物語が連鎖していくストーリーです。
ニーチェの作品をモチーフにしており、全体的にコメディタッチになっていますが、社会をどこか風刺している作品にもなります。
映画『チャンス』のあらすじ
チャンスは読み書きすることができず部屋でテレビを見て過ごしていました。
庭師として働いていたのですが、雇い主が亡くなってしまい、屋敷から追い出されてしまいます。
街をさまよっていると、経済界の重鎮と知り合うことになりました。
彼はアメリカのいろいろな重要人物たちと知り合うようになります。
彼はただ庭の手入れなどについて話しているのに、世間からは哲学的だと絶賛されるようになり、彼の人生は思わぬ方向に進んでいきました。
シニカルでユニークなシーンが多く、セラーズが真面目に演じれば演じるほど面白みが感じられます。
映画『チャンス』の解説
ヒッチコックのように監督が作品内に登場しており、見つける楽しみがあります。
哲学的な意味合いが含まれている作品で、主人公がそこにいるだけでいろいろなストーリーが展開されるというユニークな作品です。
コメディ映画になりますが、人生について考えさせられるエピソードも多く、ついつい笑ってしまうようなシーンもあります。
人の印象というものはこうも変わっていくのかということを知ることができ、出会う人や環境などによって人生は大きく変化することが分かる作品です。
純粋すぎる主人公の姿に憧れを抱いたり、無防備でいることの怖さも感じることができます。
映画『チャンス』のみどころ
庭師の不思議な人生の旅を見ることができます。
純粋すぎるのか何も考えていないのかよく分からないですが、静かなコメディを鑑賞することが可能です。
シナリオがよくできていて、巧みなセリフの重ね方が見事に描かれています。
彼にとって屋敷を出たことは幸運なことで、その後さまざまな人との繋がりによってこれまで出会うことのなかった地位の人たちと出会うことになりました。
本来人は真っ白なものであって、周囲の環境や出会う人、経験や知識によって人格が変わっていくものなのかもしれません。
周囲からの意見を気にもしない彼の姿に勇気をもらえるでしょう。
映画『チャンス』の感想
一見するとサクセスストーリーですが、本人はまったくそのような野心がないというのがポイントです。
エヴァを演じたシャーリーがキュートで、彼女が主人公に好意を寄せて言い寄るシーンは思わず笑ってしまうでしょう。
映画『チャンス』の登場人物・キャスト
映画『チャンス』のキャストをご紹介します。
- チャンス:ピーター・セラーズ
- エヴァ・ランド:シャーリー・マクレーン
- ベンジャミン・ランド:メルヴィン・ダグラス
- 大統領:ジャック・ウォーデン
映画『チャンス』のスタッフ
映画『チャンス』の作成スタッフをご紹介します。
- 監督:ハル・アシュビー
- 脚本:イエジー・コジンスキー
- 原作:イエジー・コジンスキー「庭師 ただそこにいるだけの人(英語版)」
- 音楽:ジョニー・マンデル