若手の劇作家であるバートン・フィンクは、大手プロダクションからオファーを受け、指示通りに執筆を始めますが、ホテルの隣室の音が邪魔で集中ができず、話は続きます。
1991年8月21日に公開された映画『バートン・フィンク』は、カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルム・ドールと、監督賞、男優賞を受賞しています。
この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。
映画『バートン・フィンク』の予告編
<バートン・フィンク・予告編>
「バートン・フィンク」は、新人の劇作家バートン・フィンクが、様々な事件に巻き込まれていくという映画です。
大手の映画プロダクションからオファーを受けたバートン・フィンクは、プロダクション社長の指示通りに脚本を書いていきます。
しかし、執筆が順調に進まない上に、事件が絡んでくる大事へと発展します。
そうして、予想外の方向へと転がっていくストーリーが特徴です。
映画『バートン・フィンク』の解説
「バートン・フィンク」は、ジョエルとイーサンのコーエン兄弟が手掛けた作品です。
コーエン兄弟は皮肉を積極的に取り入れた作風が特徴で、「バートン・フィンク」にもその特徴が大いに表れています。
そして、映画評論家を始めとする大勢の人から高い評価を受けました。
1991年のカンヌ国際映画祭では、最高賞であるパルム・ドールの他、監督賞と男優賞を受賞しています。
また、アカデミー賞では、受賞こそしなかったものの、助演男優賞と美術賞、衣装デザイン賞の3部門にノミネートされています。
興行的には、600万ドルを超える収入を記録しました。
しかし、制作費が900万ドルであったため、最終的には赤字で終わっています。
映画『バートン・フィンク』のあらすじ
若手の劇作家であるバートン・フィンクは、大手プロダクションのキャピタル・ピクチャーズからのオファーを受けます。
社長の指示通りに執筆を始めるバートンですが、ホテルの隣室の音が邪魔で集中できません。
そこで、文句を言うために隣室を訪れますが、そこにいた保険のセールスマンのチャーリーと仲良くなります。
さらに、有名な脚本家であるW・P・メイヒューに、運良く出会うことができます。
しかし、W・P・メイヒューの秘書であるオードリーや、メイヒュー本人などがバートンの身近なところで次々と亡き者にされるという事件が発生します。
そのような状況の中で、バートンは脚本を書き続けていくというストーリーです。
映画『バートン・フィンク』のみどころ
「バートン・フィンク」の見どころは、作中に隠されている色々な謎です。
現実的に考えるとあり得ないような要素が、色々と組み込まれています。
そして、若手劇作家が仕事をもらって頑張るという平和な内容から、大きな事件に発展するというカオスな展開が特徴です。
さらに、その展開の先にある結末も、見た人が考えさせられるような形となっています。
そのため、1回視聴しただけでは、最終的にどうなったのかが理解できず、置いてけぼりを食らうかもしれません。
ただ、複数回視聴すると、理解できる可能性があります。
また、聖書を始めとした様々な要素が、隠喩的な手法で数多く取り込まれているのも特徴です。
そのため、理解度を深めたり、伏線を回収したりするために、複数回の視聴をおすすめします。
映画『バートン・フィンク』の感想
「バートン・フィンク」は、物語の展開が複雑である上に、謎も数多く隠されているという、非常に考えさせられる作品です。
そのため、何度も繰り返し視聴をしながら、考察を楽しみたいという人は、ぜひ見てみると良いでしょう。
映画『バートン・フィンク』の登場人物・キャスト
バートン・フィンクの登場人物・キャストをご紹介します。
バートン・フィンク:ジョン・タトゥーロ
チャーリー・メドウズ:ジョン・グッドマン
ジャック・リプニック:マイケル・ラーナー
ルー・ブリーズ:ジョン・ポリト
ベン・ガイズラー:トニー・シャルーブ
W・P・メイヒュー:ジョン・マホーニー
オードリー・テイラー:ジュディ・デイヴィス
ガーランド・スタンフォード:デイヴィッド・ワリロフ
デレク:I・M・ホブソン
リチャード・セント・クレア:ランス・デイビ
ポッピー・カーナハン:ミーガン・フェイ
チェット:スティーヴ・ブシェミ
ピート:ハリー・ブーギン
マストリオノッティ刑事:リチャード・ポートナウ
ドイチュ刑事:クリストファー・マーニー
映画『バートン・フィンク』のスタッフ
バートン・フィンクのスタッフをご紹介します。
監督:ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン
製作総指揮:ベン・バレンホルツ、ビル・ダーキン、ジム・ペダス、テッド・ペダス
脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
美術:デニス・ガスナー
衣装デザイン:リチャード・ホーナング
音楽:カーター・バーウェル