映画『鉄男』のあらすじとレビュー|男の体が金属化していき彼の日常は一変していく物語

邦画

主人公の男は、頬から金属のようなものが出ているのに気づき、また駅では彼の隣に座った女までもが金属化していきます。

次第に男の体は全体が金属化していき、彼の日常は一変していく物語です。

1989年7月1日に公開された映画『鉄男』は、ストーリー中には会話が殆どなく、BGMと効果音が主体的に使われて物語が展開され、映像自体もモノクロでの作品となっています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『鉄男』の予告編

<鉄男・予告編>

平凡なサラリーマンである””男””が、ある朝、頬から金属のようなものが出ているのに気づきます。

また、駅で男の隣に座った女までもが金属化していきます。

以降、次第に男の体全体が金属化していき、彼の日常は一変します。

全ては、男が自動車事故を起こした際、山林に遺棄した””奴””が仕組んだことでした。

映画『鉄男』の解説

本作は1989年公開の映画で、監督は塚本晋也が務めています。

彼は劇団「海獣シアター」を主宰しており、役者としても活躍しています。

本作は漫画「生物都市」との類似点が指摘されていますが、塚本晋也は同作の存在は頭に無かったと言います。

因みに「鉄男」のネーミングは、映画「桐島、部活やめるってよ」に着想を得ています。

但し、本作自体は身体が金属化していくというホラー映画です。

ストーリー中には会話が殆どなく、BGMと効果音が主体的に使われて物語が展開されます。

映像自体もモノクロで、ある意味で前衛的な作品になっています。

映画『鉄男』のあらすじ

出勤前の髭剃りで、男は頬から金属のようなモノが出ているのに気づきます。

男は怖くなって恋人に電話しますが、上手く会話が嚙み合いません。

駅に向かった彼は、そのままベンチに座り込みます。

すると、隣に居る女の手が見る見る金属になっていきます。

驚いた男が立ち去ろうとすると、彼女が鬼の形相で追いかけてきます。

彼はトイレに逃げ込みますが、女は天井から襲い掛かりました。

その後、男は覚悟を決めて彼女を亡き者にします。

その時、激痛が体中を駆け巡り、腕や足首から金属化していくのでした。

映画『鉄男』のみどころ

本作の見どころの一つは、ストーリーの展開がぶっ飛んでいることです。

それ故、何も考えずに楽しむのが良い映画の一つです。

論理的に観てしまうと、何が何だか分からないでしょう。

そもそも事の起こりは、速くなりたいため異常な手段を採った””やつ””の悲劇です。

そして、彼をクルマで轢いてしまった男にも悲劇が連鎖します。

男の身体は金属の塊と同化し、女性との関係も、ままならなくなります。

しまいには、彼の股間からドリル状の鉄棒が生えてきました。

男はドリルを女性の股間に挿入しようとしますが、首にナイフを突き立てられてしまうのでした。

映画『鉄男』の感想

そもそも、速く走るために足に金属を入れるなんて異常ですよね!

そんな異常な男と関わってしまった主人公も悲劇です。

また、彼の隣に座っていた女にも悲劇が連鎖するわけですね!

強いて言えば、「悲劇の連鎖」が作品のテーマなのかもしれません。

映画『鉄男』の登場人物・キャスト

鉄男の登場人物・キャストをご紹介します。

男:田口トモロヲ
女:藤原京
眼鏡の女:叶岡伸
やつ:塚本晋也
医者:六平直政
浮浪者:石橋蓮司

映画『鉄男』のスタッフ

鉄男のスタッフをご紹介します。

監督:塚本晋也
脚本:塚本晋也
製作:塚本晋也
撮影:塚本晋也、藤原京
照明:塚本晋也
音楽:石川忠