映画『忍ぶ川』のあらすじとレビュー|大学生が料亭の女性に一目惚れした様子を描いた作品

邦画

大学生である哲郎は、料亭で働く志乃に一目惚れをし、志乃に会うために料亭に通い始めます。

2人は惹かれ始めますが、お互いの過去を打ち明け、心の距離を近付けます。

でも哲郎は、志乃に婚約者がいることを知ってしまい、話が続きます。

1972年5月25日に公開された映画『忍ぶ川』は、当初、主演の志乃役のオファーは、栗原小巻さんではなく吉永小百合さんに出されました。

しかし映画の撮影方法や、キャスティングなどに関する相違により、栗原さんが主演となりました。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『忍ぶ川』の予告編

<忍ぶ川・予告編>

大学生である哲郎は、忍ぶ川という料亭で働く志乃に一目惚れをします。

そして、志乃に会うために、忍ぶ川へと通い詰めます。

その内2人は惹かれ始めますが、それぞれ暗い過去を抱えていました。

哲郎と志乃は、お互いの過去を打ち明け、心の距離を近付けていきます。

しかし、哲郎は、志乃に婚約者がいることを知ってしまいます。

映画『忍ぶ川』の解説

「忍ぶ川」は、1972年に公開された日本の映画です。

1960年に芥川賞を受賞した、同名小説が原作となっています。

当初、主演の志乃役のオファーは、栗原小巻さんではなく吉永小百合さんに出されました。

しかし、吉永さんの親族と、監督である熊井啓さんの間で、意見の相違がありました。

映画の撮影方法や、キャスティングなどに関する相違です。

また、この作品の特徴的なシーンを省くという要望も出ました。

そのような相違の結果、吉永さんではなく、栗原さんが主演となりました。

ただ、そのことが功を奏し、この作品は栗原さんの代表作のひとつとなっています。

映画『忍ぶ川』のあらすじ

大学生の哲郎は、忍ぶ川という料亭で、志乃という女性出会います。

初めて会った時から、志乃に惚れてしまった哲郎は、忍ぶ川へと足しげく通います。

そうする内に、2人は心の距離を近付けていきます。

ただ、哲郎は、姉2人が自ら命を絶ち、兄2人は失踪しているという、複雑な家庭を持っていました。

また、志乃は、家族と引き離され、ひとり東京に働きに出ていました。

それぞれの複雑な過去を打ち明け、2人は仲を深めていきます。

しかし、志乃には、婚約者がいることが判明します。

そして、志乃が望まない結婚ではなく、自らと結ばれるために、哲郎は志乃の家族の元へと向かいます。

映画『忍ぶ川』のみどころ

「忍ぶ川」の見どころは、志乃と哲郎の純愛模様です。

お互いが、家の問題に振り回されながらも、気持ちを通じさせていく様子が描かれています。

暗い人間関係の中でも、美しい愛を貫こうとする2人の姿に、胸打たれることでしょう。

そして、2人をそれぞれ担当する、栗原小巻さんと加藤剛さんの演技力にも着目です。

また、1950年という舞台を、しっかり再現してあるのも見どころのひとつです。

1972年制作でありながら、カラーではなくあえてモノクロ調に仕上げられています。

古い時代を再現するためにあらゆる工夫が施されているため、世界観にしっかりと引き込まれるはずです。

映画『忍ぶ川』の感想

「忍ぶ川」は、日本を代表する俳優である栗原小巻さんの代表作です。

そのため、栗原さんのファンや、他の作品で栗原さんに魅力を感じた人は、まず視聴しておきましょう。

また、作品としての質も非常に高いため、古い時代の純愛ものとして十分楽しめるはずです。

映画『忍ぶ川』の登場人物・キャスト

忍ぶ川の登場人物・キャストをご紹介します。

志乃:栗原小巻
哲郎:加藤剛
哲郎の父:永田靖
哲郎の母:滝花久子
文哉:可知靖之
次兄:井川比佐志
亜矢:山口果林
美那:片山真由美
香代:岩崎加根子
志乃の父:信欣三
志乃の母:阿部百合子
要:鹿野浩四郎
小夜子:大西加代子
忍ぶ川の女将:木村俊恵
木村幸房:滝田裕介
課長・木村の上司:稲葉義男
列車の乗客:菅井きん
哲郎の学友・潮田:鶴田忍
射的の若い男:橋本功
卒業生A:河原崎次郎
哲郎の学友A:松野健一
街の女:桧よしえ、野中マリ子

映画『忍ぶ川』のスタッフ

忍ぶ川のスタッフをご紹介します。

監督:熊井啓
製作:佐藤正之、椎野英之
脚本:長谷部慶治、熊井啓
撮影:黒田清巳
音楽:松村禎三
美術:木村威夫
編集:井上治、丹治光代
録音:太田六敏
照明:岡本健一
スチール:岩井隆志
監督補佐:宮川孝至
助監督:佐川功
製作担当:森園忠
題字:賀茂牛道人