映画『山の焚火』のあらすじとレビュー|アルプスの雄大な自然の中で自給自足の生活を送る家族の物語

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アルプスの山腹で暮らす姉ベッリと弟は、学校へは行かず、家族の手伝いをして生活しています。

弟は、生まれつき耳が聞こえませんでした。

弟はいつものように姉から勉強を教わりますが、そんな時、彼は傘を持って突然暴れだし、話は続きます。

1899年12月30日に公開された映画『山の焚火』は、ロカルノ国際映画祭で、最高賞である金豹賞を獲得しました。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『山の焚火』の予告編

<山の焚火・予告編>

本作の舞台は、スイス・アルプス山脈の山腹です。

その辺境の地で、一組の家族が世間から隔絶した生活を送っていました。

一家は4人家族で、両親と姉弟が大自然の暮らしを満喫していました。

姉弟は学校に通っておらず、父親の山仕事を手伝うのが日課です。

家族の悩みは、生まれつき耳の聞こえない弟のことです。

彼にはパニック発作の持病もあり、度々家族を苦しめていました。

映画『山の焚火』の解説

本作は1985年制作のスイス映画で、人里離れた山腹に暮らす家族の生活が舞台です。

広大なアルプスの自然を背景に、山岳民の活き活きとした暮らしぶりが観られます。

監督を務めたのはフレディ・ムーラーで、彼はヌーボー・シネマの旗手とも称されます。

本作はロカルノ国際映画祭で、最高賞である金豹賞を獲得しました。

それ以降の彼の代表作としては、2006年制作の「僕のピアノコンチェルト」が挙げられます。

本作はギリシャ悲劇を題材にしており、姉弟の禁断の関係が描かれています。

日本では1986年に劇場公開され、2020年にデジタルリマスター版で再上映されています。

映画『山の焚火』のあらすじ

スイス・アルプスの山腹に、山岳民の家族が暮らしていました。

姉ベッリと弟は学校へは行かず、家族の手伝いをして生活しています。

そんなある日、家族は母親の実家を訪れます。

ベッリは祖母から、母親が弟の誕生により性格が変わってしまったと告げられます。

弟は、生まれつき耳が聞こえませんでした。

実家からも戻ると、弟はいつものように姉から勉強を教わります。

そんな時、彼は傘を持って突然暴れだしました。

別のある日、弟は動かなくなった芝刈り機を殴り始めます。

彼は父親に叱られますが、芝刈り機を崖から落としてしまうのでした。

映画『山の焚火』のみどころ

本作の見どころの一つは、ベッリと弟との禁断の関係です。

芝刈り機事件の後、弟は砕いた石を積み上げる行動を一日中行っていました。

ベッリは彼を心配し、焚火をしながら寄り添います。

二人は焚火の近くに寝床を設け、そこで夜を過ごすことにしました。

その夜更け、添い寝をしていた彼女たちは、いつの間にか性行為に及んでしまいます。

弟は以前から、姉のことを性的な目で見るようになっていました。

翌日、二人は何事も無かったように日常生活を続けます。

その後も二人は、焚火をしながら何度も体を求め合います。

そんな中、ベッリは妊娠してしまうのでした。

映画『山の焚火』の感想

本作は、アルプスの雄大な自然の中、自給自足の生活を送る家族の物語です。

美しいスイスのイメージとは対称的に、孤立した家族に独自の問題が発生します。

土着的な風習は、時にはインモラルなものです。

現代人には理解しがたい出来事ですが、生命力の逞しさを感じさせる内容となっています。

映画『山の焚火』の登場人物・キャスト

山の焚火の登場人物・キャストをご紹介します。

ベッリ:ヨハンナ・リーア
弟:トーマス・ノック
父親:ロルフ・イリッグ
母親:ドロテア・モリッツ

映画『山の焚火』のスタッフ

山の焚火のスタッフをご紹介します。

監督:フレディ・M・ムーラー
製作:ベルナール・ラング
脚本:フレディ・M・ムーラー
撮影:ピオ・コラーディ
美術:ベルンハウト・ザウター