映画『私の20世紀』のあらすじとレビュー|激動の時代を背景に生き別れた双子の数奇な生涯が描かれた作品

洋画

貧しい家庭に双子の姉妹が誕生した「リリ」と「ドーラ」は、その後は孤児となり、彼女らは二人の紳士に別々に引き取られ、ある年の大晦日、二人はオリエント急行に偶然乗り合わせ、話は続きます。

1990年1月13日に公開された映画『私の20世紀』は、カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞しています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『私の20世紀』の予告編

<私の20世紀・予告編>

舞台は1880年のハンガリー・ブダペストです。

一軒の貧しい家庭に、双子の姉妹が誕生しました。

彼女らには、それぞれ「リリ」と「ドーラ」という名前が付けられます。

その後二人は孤児になり、路上でマッチを売りながら暮らします。

そんなある夜、彼女らは二人の紳士に別々に引き取られます。

リリは成長して革命家となり、ドーラは詐欺師になりました。

ある年の大晦日、二人はオリエント急行に偶然乗り合わせるのでした。

映画『私の20世紀』の解説

本作は1989年制作の映画で、ハンガリーと西ドイツの合作となっています。

作品の時代は、エジソンが発明した電球により、世界が湧きたっていました。

そんな激動の時代を背景に、生き別れとなった双子の数奇な生涯が描かれています。

監督を務めたのは、ハンガリーの鬼才と称されるイルディコー・エニェディです。

本作は彼の長編デビュー作で、当年のカンヌ国際映画祭の新人監督賞を受賞しています。

因みに彼は2017年に、「心と体と」でベルリン国際映画祭の金熊賞を獲得しています。

日本では1990年に劇場公開され、2019年に4Kレストア版が再上映されています。

映画『私の20世紀』のあらすじ

ある年の大晦日、双子のリリとドーラがオリエント急行に偶然乗車しています。

彼女たちは、幼い頃に生き別れになっていました。

リリは、革命の同士から託された伝書バトを運んでいました。

一方、ドーラは、豪華な食事を楽しみながら、男に色香を振りまいています。

二人はブダペスト駅で降車し、一人の男性と別々にコンタクトを持ちます。

リリがその男性と出会ったのは、街の図書館で目が合ったのがキッカケでした。

デートをする内に、彼は純真なリリに惹かれていきます。

一方、ドーラが彼と知り合ったのは、豪華客船での船旅中でした。

彼女は、旅行中の遊び相手として、男性に目を付けました。

男性はドーラをリリと思い込んでおり、深い関係になっていくのでした。

映画『私の20世紀』のみどころ

本作の見どころの一つは、リリと男性との関係性です。

リリはブダペスト駅で男性と別れた後、革命家としての活動がエスカレートします。

遂には、国会議事堂の爆破計画まで立てるようになりました。

そんなある日、リリは男性と再会することになります。

彼は依然として、リリとドーラを同じ人物と思っていました。

それでも、男性のリリへの接し方は変化しています。

リリは、彼のあまりの変わりように大きく戸惑います。

彼女は、請われるままに男性の家に向かいました。

そして彼と一夜を共にした後、爆破計画を実行すべく国会議事堂に向かうのでした。

映画『私の20世紀』の感想

本作では、20世紀初頭での「性」意識の変化が描かれています。

ストーリー自体は謎めいており、視聴者を引き込んでいきます。

物語のもう一つのキーワードは、「光」です。

電球が発明される一方で、孤児となった双子がマッチを売っています。

両者には、何か運命的なつながりを感じられるわけです。

映画『私の20世紀』の登場人物・キャスト

私の20世紀の登場人物・キャストをご紹介します。

リリ/ドーラ/双子の母:ドロタ・セグダ
Z(男性):オレーグ・ヤンコフスキー
ヴァイニンガー:パウルス・マンカー
エジソン:ペーター・アンドライ
その他:ガーボル・マーテー

映画『私の20世紀』のスタッフ

私の20世紀のスタッフをご紹介します。

監督:イルディコー・エニェディ
脚本:イルディコー・エニェディ
製作:ノルベルト・フリオドラオデル
撮影:ティボォール・マテ
美術:ゾルタン・ラバス