映画『太陽は、僕の瞳』のあらすじとレビュー|目が見えない息子のことを人生のお荷物だと考える父親の残酷な心が描かれた物語

洋画

盲学校に通っている心の優しい少年は、盲学校が夏休みに入ると、父親のいる親元へと帰ることになっており、父親が迎えに来ました。

しかし父親はそんな息子が再婚の障壁になると思い、大工屋に息子を渡そうとし、話が続きます。

2000年5月13日に公開された映画『太陽は、僕の瞳』は、第21回モントリオール世界映画祭においてグランプリを受賞し、文部省選定映画および優秀映画鑑賞会特別推薦を受けています。

この作品のみどころや感想など、感じた事をご紹介します。

映画『太陽は、僕の瞳』の予告編

<太陽は、僕の瞳・予告編>

目が見えないモハマドには母親がいませんでした。

そのモハマドは親元から離れて、都会にある盲学校に通っている心の優しい少年でした。

盲学校が夏休みに入ると、学校に通う生徒たちはそれぞれ親元へと帰ることになっていて、モハマドも父親が迎えに来るのでした。

父親はモハマドのことを自分の人生のお荷物だと考え、疎んでいたのでした。

父親の残酷な心が描かれた物語でもあります。

映画『太陽は、僕の瞳』の解説

「太陽は、僕の瞳」は、1999年第21回モントリオール世界映画祭において、グランプリを受賞し、同年の文部省選定映画および、優秀映画鑑賞会特別推薦を受けています。

イランでは1999年2月8日に公開され、日本では2000年5月13日に、アミューズの配給によって公開されました。

前作である「運動靴と赤い金魚」が好評であったマジッド・マジディ監督が、前作を超える称賛を与えられたと言われている作品です。

マジッド・マジディ監督は、「運動靴と赤い金魚」でもモントリオール世界映画祭において、グランプリを受賞しており、連続受賞となりました。

映画『太陽は、僕の瞳』のあらすじ

モハマドは学業優秀な少年でした。

そしてモハマドは心も優しい少年でした。

夏休みになり、生徒たちが親元へ帰る時期になると、父親は夏休みの期間中、モハマドを学校で預かって欲しいと頼むものの、当然断られてしまいます。

仕方なく父親は息子を連れて帰るのでした。

再婚したいと考えていた父親は、結婚の障害になるであろうモハマドを大工の所に渡そうとします。

父親は息子を捨てようとするのでした。

ある日、大工の元で泣きじゃくるモハマドは、こう言います。

「神様を見ることができなくても、僕はずっと神様に向けて手を伸ばしてる。僕の手が神様に触れることができる日まで」と。

映画『太陽は、僕の瞳』のみどころ

自分の息子である父親が、孫のモハメドを大工のもとへ捨てたことを知った祖母は激怒し、すぐに連れ戻しに行こうとします。

父親は祖母に向かって、自分自身もまた、いかに不幸な人生だったかを泣き叫びながら訴えるのでした。

しかし、その祖母もすぐに亡くなってしまいます。

そして、その祖母を不審に思った父親の再婚相手の家から結納が返されることになり、父親の再婚話まで壊れてしまいます。

父親は、息子を大工のところから連れ戻そうと決心するのでした。

その帰り道、突然橋が壊れてモハメドは馬と一緒に川に落ちてしまいます。

モハマドを父親はすぐに助けることができません。

モハマドが伸ばした手を父親は触れるのでしょうか。

そしてモハマドのその手は、神様に触れることができるのでしょうか。

映画『太陽は、僕の瞳』の感想

盲目の少年が手を伸ばし、触れたいと願ったものは何だったのでしょうか。

責めたくなるような父を前に少年は決してそれをしませんでした。

少年と同じ立場に立った時、果たしてそれができるのだろうかと考えさせられる映画であったとともに、父親の寂しさのようなものも感じる作品でした。

映画『太陽は、僕の瞳』の登場人物・キャスト

太陽は、僕の瞳の登場人物・キャストをご紹介します。

父親:ホセイン・マージゥーブ
モハマド:モフセン・ラマザーニ
おばあちゃん:サリム・フェイジィ

映画『太陽は、僕の瞳』のスタッフ

太陽は、僕の瞳のスタッフをご紹介します。

監督・脚本:マジッド・マジディ
製作:アリ・カルー、ネーディ・キャリミ
音楽:アリレザ・コハンダリー
撮影:マームド・ダウーディ
編集:ハッサン・ハッサンドスト