映画『招かれざる客』のあらすじとレビュー|アメリカが舞台で人種の異なる者が結婚をめぐって葛藤するヒューマンドラマ作品

洋画

黒人のジョンは、白人のジョーイと出会い、二人は結婚することになり、彼は、彼女の実家を訪れますが、彼女の家族は予期せぬ訪問者に戸惑います。

また、双方の家族が対面することになりますが、お互い家族間では葛藤が続きます。

1967年12月12日に公開された映画『招かれざる客』は、職業的に立派な人であっても認めるわけにはいかない、という家族間の葛藤が丁寧に描かれています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『招かれざる客』の予告編

<招かれざる客・予告編>

アメリカが舞台のヒューマンドラマで、人種の異なる者が結婚をめぐって葛藤するストーリーです。

違う人種の結婚という当時では問題になっていたことにフォーカスした内容で、いろいろな差別が描かれています。

州によっては異なる人種による結婚は違法だったところもあり、合法だとしても二人は幸せになるのか周囲の不安などを感じることができます。

映画『招かれざる客』の解説

結婚する二人の気持ちを中心に描かれていますが、二人を取り巻く家族の心配や不安などを実感することができます。

肌の色で区別することはいけないと分かっていても、自分の家族となると話は別になってくるものです。

職業的に立派な人であっても認めるわけにはいかないという、家族間の葛藤が丁寧に描かれています。

普段は気にしていないもののそのような意識を持っている普通の人が描かれていて、区別されている側の人も同じように見下すというコンプレックスのような人間の複雑な気持ちを見ることが可能です。

根深いものを感じることができ、作品を通じて当時のアメリカ社会を理解することができます。

映画『招かれざる客』のあらすじ

黒人のジョンは白人のジョーイと出会い、二人は、めでたく結婚する事になりました。

彼は彼女の両親に挨拶しようと実家を訪れるのですが、家族は予期せぬ訪問者に戸惑うことになります。

肌の色で判断することは良くないと分かっていても家族になるとそうはいきません。

しかし表立って反対することもできず、家族は戸惑います。彼は転勤することが決まっていて、彼女はついていこうと準備していました。

双方の家族が対面することになりますが、家族の間では葛藤が続きます。

二人は、何事もなく結婚することができるのか、当時のアメリカ社会の問題をフォーカスした作品です。

映画『招かれざる客』のみどころ

当時の人種観に対する社会的な感覚を見ることができます。

ほとんど家の中での会話によるシーンになっていて、目を見張るようなアクションシーンなどはありません。

しかし、人の気持ちが丁寧に描かれている作品です。

二人の思いに理解をしめしながら、夫の考え方も尊重しようとする妻をヘップバーンは見事に演じています。

二人の関係がどうなるのか見守るという演技はすばらしく、彼女と一緒に主人公たちが幸せになるのかスクリーンを通して眺めることになるでしょう。

名優たちが多く出演していて息の合った演技を見ることが可能です。

この作品の撮影後にトレイシーは亡くなっていて、彼の遺作となっています。

映画『招かれざる客』の感想

人柄も良く職業も立派なのに黒人というだけで理解されず、結婚を祝福されないというジレンマを感じる作品です。

州によって異人種による結婚が違法になっているという、今では考えられない時代が描かれています。

建前と本音について鋭い視点で描かれた良作です。

映画『招かれざる客』の登場人物・キャスト

招かれざる客の登場人物・キャストをご紹介します。

マット・ドレイトン:スペンサー・トレイシー
ジョン・プレンティス:シドニー・ポワチエ
クリスティーナ・ドレイトン:キャサリン・ヘプバーン
ジョアンナ(ジョーイ)・ドレイトン:キャサリン・ホートン
ライアン神父:セシル・ケラウェイ

映画『招かれざる客』のスタッフ

招かれざる客のスタッフをご紹介します。

監督:スタンリー・クレイマー
脚本:ウィリアム・ローズ
製作:スタンリー・クレイマー