映画『ブリキの太鼓』のあらすじとレビュー|主人公が過去を回想する形で、生まれる前から精神が大人になるまでを描いた作品

洋画

精神病院に入院している主人公のオスカルは、自らの半生を看護師に話します。

オスカルは、生まれた時点で自分の成長をコントロールすることができました。

当初はオスカル自身、体が成長することに抵抗がありましたが、話は続きます。

1981年4月11日に公開された映画『ブリキの太鼓』は、カンヌ国際映画祭では、最高賞であるパルム・ドール賞を受賞し、アメリカのアカデミー賞では、外国語映画賞を受賞しています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『ブリキの太鼓』の予告編

<ブリキの太鼓・予告編>

30歳の主人公オスカルは、身体が幼児で、精神のみが大人という特殊な体質をしていました。

そして、誕生した段階で、自らの成長を操ることができるという能力を持っていました。

さらに、声に含まれる超音波を使い、ガラスを破壊することもできます。

そのような奇怪な体質や能力を持っていたオスカルは、自らの半生を精神病院の看護師に話していきます。

映画『ブリキの太鼓』の解説

「ブリキの太鼓」は、1979年に公開されたドイツ映画です。

主人公であるオスカルが過去を回想するという形で、生まれる前の1899年から、精神が大人になる1954年に至るまでが描かれています。

そのため、2つの世界大戦やナチスなども当然、ストーリーに関わっています。

子どもであるオスカルの視点から、個人の状況などに振り回されていく大人たちの姿が描写されます。

そして、カンヌ国際映画祭では、最高賞であるパルム・ドール賞を受賞しました。

また、アメリカのアカデミー賞では、外国語映画賞を受賞しています。

映画『ブリキの太鼓』のあらすじ

精神病院に入院しているオスカルは、自らの半生を看護師に話していきます。

アルフレートとアグネスの間に生まれたオスカルは、生まれた時点で自分の成長をコントロールすることができました。

そして、当初は成長することに抵抗がありました。

しかし、3歳まで成長したらブリキの太鼓を買ってやるという父親の言葉をきっかけに、3歳まで成長することにします。

その後、事故に見せかけて成長が止まったように見せかける計画を実行します。

しかし、事故が原因で、両親が不仲になってしまいます。

さらに、オスカルは声によってガラスを割る能力を手に入れ、問題を起こしていきます。

映画『ブリキの太鼓』のみどころ

「ブリキの太鼓」の最大の特徴と言えるのは、主人公のオスカルの性質です。

生まれた段階で自らの成長をコントロールできるという、独創的な能力を持っています。

そして、大人たちの愚かさが描かれているのが特徴です。

登場する大人たちは、日和見であったり、不倫をしていたりと、醜い要素を持ち合わせています。

その醜さを、子どもであるオスカルの視点から見ることとなります。

さらに、オスカル自身もまともではなく、奇行を繰り返していきます。

そのような、登場人物たちの異常さや不気味さを見られるのが、「ブリキの太鼓」という映画です。

映画『ブリキの太鼓』の感想

「ブリキの太鼓」は、大人の醜さや異常さを確かめられる作品です。

そして、全体的に不気味な仕上がりとなっています。

設定はフィクションですが、人のリアルな不気味さを感じることができます。

そのため、怖いもの見たさで視聴すると良いでしょう。

映画『ブリキの太鼓』の登場人物・キャスト

ブリキの太鼓の登場人物・キャストをご紹介します。

オスカル:ダービット・ベネント
アフルレート・マツェラート:マリオ・アドルフ
アグネス・マツェラート:アンゲラ・ビンクラー
ヤン・ブロンスキ:ダニエル・オルブリフスキー
マリア:カタリナ・タルバッハ
マルクス:シャルル・アズナブール
アンナ(娘時代):ティーナ・エンゲル
アンナ(老婆):ベルタ・ドレーフス
ヨーゼフ・コリヤイチェク:ローラント・トイプナー
グレフ:ハインツ・ベネント
リーナ:アンドレア・フェレオル
ベブラ団長:フリッツ・ハックル
ロスヴィータ:マリエラ・オリベリ

映画『ブリキの太鼓』のスタッフ

ブリキの太鼓のスタッフをご紹介します。

監督:フォルカー・シュレンドルフ
脚本:ジャン=クロード・カリエール、フォルカー・シュレンドルフ、フランツ・ザイツ、ギュンター・グラス
原作:ギュンター・グラス
製作:フランツ・ザイツ、アナトール・ドーマン、フォルカー・シュレンドルフ
製作総指揮:エベルハルト・ユンケルスドルフ
音楽:モーリス・ジャール
撮影:イゴール・ルター
編集:スザンネ・バロン