薬害によって、身体障がい者として生まれてきた彼女は、普通の高校生として過ごしていました。
その典子に、学校の担任と校長が、市役所の採用試験の話を持ってきます。
それから猛勉強をした典子は公務員試験に合格し、話が続きます。
1981年10月7日に公開された映画『典子は、今』は、第4回のジョン・ミュアー医学教育映画祭では、グランプリを受賞しました。
この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。
映画『典子は、今』の予告編
<典子は、今・予告編>
松原典子は、生まれつき両腕がないというハンディキャップを持っていました。
母親や友達に支えられながら、熊本で普通の高校生として暮らします。
そして、公務員試験に合格し、社会人として働くこととなります。
そんな典子はある日、手紙を通じて1人の女性と親しくなります。
その女性にひと目会うために、典子は1人で広島へと向かいます。
映画『典子は、今』の解説
「典子は、今」は、1981年に制作された日本の映画です。
現実で起こった薬害であるサリドマイド病の患者に、スポットが当てられています。
ストーリー自体はフィクションです。
しかし、主演を務める辻典子さんは、実際にサリドマイドによって、両腕がない状態で生まれたというハンディキャップを持っています。
そして、辻さんが、自分自身とほぼ変わらない人物を演じる形です。
ただ、あくまでもフィクションであるため、監督の妻で元女優の高峰秀子さんが、演技指導を行っています。
そうして完成した「典子は、今」は、公開された1981年の邦画で、興行収入第3位を記録しています。
また、第4回のジョン・ミュアー医学教育映画祭では、グランプリを受賞しました。
映画『典子は、今』のあらすじ
薬害によって、両腕のない状態で生まれてきた松原典子は、普通の高校生として過ごしていました。
そして、高校でのスピーチをきっかけに、親を楽にさせる進路に進むことを決心します。
その典子に、学校の担任と校長が、市役所の採用試験の話を持ってきます。
その話を聞いた典子は、猛勉強をし、公務員試験に合格します。
高校を卒業してからの典子は、市役所の福祉窓口で働く日々を送っていました。
そんなある日、典子は手紙をくれた女性の元に訪れる決心をします。
それは、母親や友人の助けを借りない、一大決心の旅でした。
そうして、典子は1人、熊本から広島へと旅に出ます。
映画『典子は、今』のみどころ
「典子は、今」は、身体障がいを持つ人の、ありのままの姿が描かれているのが特徴です。
あくまでもフィクションという扱いですが、主演を務める辻典子さんには、実際に両腕がないという障がいがあります。
その「障がい」を持つ辻さんが、どのように生活をしているのかを、知ることができます。
足を使って食事をしたり、字を書いたりするシーンは、フィクションではない現実です。
その様子を見て、どのように感じるのかは人それぞれでしょう。
実際に目にした際に、自身はどういう風に受け止めるかを知るためにも、視聴することをおすすめします。
映画『典子は、今』の感想
「典子は、今」は、1981年の映画です。
その当時は、まだハンディキャップについては、広く知られていませんでした。
その時代に、どのような形でハンディキャップが表現されたのか、視聴して確かめてみると良いでしょう。
映画『典子は、今』の登場人物・キャスト
典子は、今の登場人物・キャストをご紹介します。
松原典子:辻典子
母・春江:渡辺美佐子
春江の夫:長門裕之
少女時代の典子:若命真裕子
養護学校の校長:下條正巳
楠教師:河原崎長一郎
広瀬先生:樫山文枝
市立高校の校長:伊豆肇
富永つね:鈴木光枝
友人の兄:三上寛
映画『典子は、今』のスタッフ
典子は、今のスタッフをご紹介します。
製作:高橋松男、柴田輝二
監督・脚本:松山善三
音楽:森岡賢一郎
撮影:石原興
照明:中島利男
美術:倉橋利韶
録音:広瀬浩一
編集:園井弘一
調音:本田文人
記録:野崎八重子
助監督:津島勝、古本哲史、北村義樹
典子の演技指導:高峰秀子
スチール:立木義浩
マンドリン指導:林田戦太郎