映画『仮面/ペルソナ』のあらすじとレビュー|ユング心理学のペルソナをテーマと推測できる内容の作品

洋画

後世で作られる数々の作品に影響を与えたと言われる映画『仮面/ペルソナ』は、1966年10月18日に公開されました。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『仮面/ペルソナ』の予告編

<仮面/ペルソナ・予告編>

映写機が作動してライトが光を放ちます。

冒頭、脈絡のない映像が次々と流れてタイトルロール、物語が開始します。

看護師のアルマは医師からエリーサベット・ヴォーグレルの世話を任されます。

アルマは彼女の世話をしますが、医師にはあまり効果がないと判断されました。

そして近くの別荘での療養を提案され、アルマはエリーサベットの付き添いで滞在することになります。

映画『仮面/ペルソナ』の解説

本作は1966年に製作された、北欧の映画で巨匠と言われるベルイマンによる監督作品です。

冒頭のプロット部分は意味のつながらないシーンが続きますが、後で作られる数々の作品に影響を与えたと言われています。

難解に見えるストーリーはタイトル通りに、ユング心理学のペルソナをテーマにしていることが推測されています。

日本では1967年10月21日に初公開されています。

また、2018年の『ベルイマン生誕100年映画祭』にてリバイバル上映がされました。

第2回全米批評家協会賞を作品賞、監督賞、ビビ・アンデショーンが主演女優賞を受賞しています。

映画『仮面/ペルソナ』のあらすじ

映画の最初、映写機が作動してライトが激しい光を放ちます。

アニメーション、蜘蛛、羊の様子など、つながりのないイメージの映像が次々と流れていきます。

ベッドで寝ている少年のシーンからタイトル、物語が開始します。

看護婦のアルマは、エリーサベット・ヴォーグレルという女性の世話を医師から任されます。

舞台女優のエリーサベットは舞台の最中に突然喋ることができなくなってしまいます。

検査しても体や精神の異常は見つからず、医師によると彼女が自分の意志でそうしているのだと言います。

アルマは彼女の夫から来た子供の写真の入った手紙を読んでエリーサベットに渡しますが、彼女は写真を破ってしまいました。

見かねた医師は近くの別荘での療養を提案し、アルマはエリーサベットに付き添って別荘に一緒に滞在することになりました。

映画『仮面/ペルソナ』のみどころ

冒頭は一見して関連しない映像が続きますが、これらの解釈は非常に分かれると思います。

映画全体を通して見た後に再び冒頭の6分間を思い返すと、最初に見たときと印象が変わるかもしれません。

全体的に登場人物が少なく画面がシンプルで、顔のアップのシーンが多く表情の演技で登場人物の心情を訴えるようなシーンが多いです。

手の動きなどの細かい部分にフォーカスする部分もあり、セリフより所作などで人物の感情を見せるようなシーンが印象的です。

対話中であっても一人の人物のみにフォーカスして相手を見せないことで、あえて見る側に見えない側を想像させるようなシーン。

そして、表情を暗くした中でセリフを喋るシーンなど、光と影を使った演出が非常に巧みです。

映画『仮面/ペルソナ』の感想

全体的に静かなシーンが多く、2人が一緒に過ごすようになってから徐々に変化していく様子が印象的でなんとも奇妙な感じがしました。

見る人により解釈が異なる作品だと思いますが、登場人物の表情の演技に惹きつけられます。

映画『仮面/ペルソナ』の登場人物・キャスト

仮面/ペルソナの登場人物・キャストをご紹介します。

アルマ役:ビビ・アンデショーン
エリーサベット役:リヴ・ウルマン
医師役:マルガレータ・クローク
エリーサベットの夫役:グンナール・ビョルンストランド
エリーサベットの息子役:ヨルゲン・リンドストレム

映画『仮面/ペルソナ』のスタッフ

仮面/ペルソナのスタッフをご紹介します。

監督・脚本・製作:イングマール・ベルイマン
撮影:スヴェン・ニクヴィスト