映画『ホーリー・モーターズ』のあらすじとレビュー|依頼に沿った年齢も性別も違う人物になりきることが主人公の生業で変幻自在に役を演じ続ける物語

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2013年4月6日に公開された映画『ホーリー・モーターズ』。
この記事では、映画『ホーリー・モーターズ』のあらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『ホーリー・モーターズ』の予告編

主人公のオスカーは、車の中を楽屋の代わりに使っています。

彼の生業は、クライアントの依頼に沿った年齢も性別も違う、人物になりきることにありました。

オスカーは決してその職業に不満は持っておらず、楽しく演じているようです。

しかし、別の人間になりきって生きている為本当の彼を誰も知りません。

それでも彼は、変幻自在に役を演じ続けます。

映画『ホーリー・モーターズ』のあらすじ

セリーヌが運転する白いリムジンの後部座席には、たくさんのメイク道具が置かれていました。

そして、オスカーはその場所を楽屋として、さまざまな人物を演じ続けていました。

ある時は金持ちの銀行家、またある時は悪人、さらには物乞いの女になりきる時もあれば、怪物、さらには父親を演じることもあり、アポイントに沿って「演じる」ことこそが彼の生業でした。

人生ですれちがった亡霊たちを追い求めるかのようにさまざまな人を演じる日々を、オスカーは楽しんでいるように見えます。

ただ、彼の本当の姿、家族、そして休息できる場所は一体どこにあるのか?

映画『ホーリー・モーターズ』の解説

フランスの鬼才レオス・カラックス監督が、2008年公開の「TOKYO!」以来4年ぶりに、高い注目のもと2012年に公開された映画こそが「ホーリー・モーターズ」です。

長編としては1999年公開の「ポーラX」からなんと13年の時を経て手掛けた作品です。

なお、本作の主演は、「TOKYO!」、そして同監督によるアレックス3部作と同じくドニ・ラヴァンが務めています。

そんな本作は、第65回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門に出品され、英BBCが発表した「21世紀の偉大な映画100選」では16位にランクインするなど、世界的に高い評価を得ています。

映画『ホーリー・モーターズ』のみどころ

映画「ホーリー・モーターズ」の見どころは、本作を手掛けた鬼才レオス・カラックス監督ならではの独特な演出にこそあります。

さまざまな人物に姿を変えながら街をさまよう主人公オスカーは、物語を通して終始ミステリアスかつシュールに描き出されています。

幻想的で美しいその姿からは、見ているものに夢と現実の間をさまよっているかのような不思議な感覚を与えます。

さらに、突然流れる意外な音楽やミュージカル風の意表をつく演出により、見る人を飽きさせることもありません。

自分なりの自分だけの感覚で楽しむことができる作品です。

映画『ホーリー・モーターズ』の感想

フランスの鬼才レオス・カラックス監督が、満を持して生み出した長編映画「ホーリー・モーターズ」。

理屈抜きで感覚だけで楽しむことができる、幻想的な美しさが光るほかにはない作品です。

日常を忘れて不思議な感覚を味わいたい。そんな気分の時におすすめです。

映画『ホーリー・モーターズ』の登場人物・キャスト

映画『ホーリー・モーターズ』のキャストをご紹介します。

  • オスカー/銀行家/物乞い/モーションキャプチャーの男/メルド/父親/アコーディオン奏者/ギャング/ヴォーガン/家路に着く男:ドニ・ラヴァン
  • セリーヌ:エディット・スコブ
  • ケイ・M:エヴァ・メンデス
  • エヴァ(ジーン):カイリー・ミノーグ
  • レア(エリーズ):エリーズ・ロモー(フランス語版)
  • アンジェラ:ナースチャ・ゴルベヴァ・カラックス
  • あざを持つ男:ミシェル・ピコリ
  • 眠る男:レオス・カラックス
  • モーションキャプチャーの女:ズラータ

映画『ホーリー・モーターズ』のスタッフ

映画『ホーリー・モーターズ』の作成スタッフをご紹介します。

  • 監督:レオス・カラックス
  • 脚本:レオス・カラックス
  • 製作:マルティーヌ・マリニャック アルベール・プレヴォ モーリス・タンシャン
  • 撮影:カロリーヌ・シャンプティエ イヴ・カペ
  • 編集:ネリー・ケティエ