映画『タレンタイム~優しい歌』のあらすじとレビュー|民族も宗教も異なった学生たちを舞台にメッセージが込められたアジアの青春物語

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2017年3月25日に公開された映画『タレンタイム~優しい歌』。
この記事では、映画『タレンタイム~優しい歌』のあらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。

映画『タレンタイム~優しい歌』の予告編

マレーシアのある高校で音楽コンクール「タレンタイム」のために、問題を抱える学生たちが集まりました。

琴を演奏する優等生、歌もギターも得意な転校生、ピアノが上手な女学生そして耳の聞こえない、民族も宗教も異なった学生たちが登場します。

アジアの伝説の監督と言われるヤスミン・アフマドが送る、「歌ってごらん、笑ってごらん、すべてを超えて心は届く」というメッセージが込められているアジアの青春ストーリーです。

映画『タレンタイム~優しい歌』のあらすじ

高校で行われる音楽コンテストを目の前に、成績トップの座を競う中華系カーホウは成績優秀な転校生マレー人ハフィズとの間にわだかまりを感じていました。

一方、ピアノ演奏で参加予定のムルーの父親はイギリス人、母親はマレー人でした。

そんなムルーは、いつもバイクで送迎してくれる耳の聞こえないインド人マヘシュに恋をします。

だが、マヘシュの母はムルーとの交際に強く反対します。

そんな矢先、マヘシュの叔父に悲劇が起きます。

現実を見つめながら送る高校生活の中、マレー系、インド系、中国系の民族や宗教の違いによる葛藤を抱えながら、学生たちは音楽コンクール「タレンタイム」の日を迎えます。

映画『タレンタイム~優しい歌』の解説

アジア映画の中でも伝説の映画として8年の時を経て上映が決定されたヒューマン映画です。

今は亡きマレーシアを代表する女性監督ヤスミン・アフマドの祖母は日本人でした。

この女性監督は51歳という若さで脳卒中のため他界しています。

彼女が残した6本の長編映画はどれも国際映画祭で高い評価を受けており、本作の上映年である2009年にはマレーシア映画祭で最優秀監督賞を受賞しました。

監督のヴィジョンが反映され、他民族国家マレーシアが抱える民族問題や、高校生の生活を通した青春映画です。

過去に日本でも公開された映画「細い目」で東京国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞しています。 

映画『タレンタイム~優しい歌』のみどころ

アジアでも注目を浴びた映画で、マレーシアを舞台に複雑に入り混じり合う民族や宗教、言語を通して学生生活を送る学生の葛藤がポジティブに描かれています。

学生同士の関係や、家族関係など青春時代に欠かせない経験をそれぞれの視点で描写されている風景が見どころです。

また本作に欠かせない挿入歌はマレーシアの作曲家が手がけ、主題歌である「I Go (アイ・ゴー)」もマレーシア人のシンガーソングライターであるピート・テオの楽曲です。

劇中ではインド映画で使われていた曲なども交え、マレーシアらしい雰囲気のある音楽がサウンドトラックに選曲されています。

映画『タレンタイム~優しい歌』の感想

作成から8年経ってついに劇場公開された伝説の監督ヤスミンの遺作として、日本では映画祭で上映されています。

たくさんの民族が暮らす街を舞台にマレー語・中国語・タミル語などの言語も複数使われた国際的なヒューマンドラマ映画です。

映画『タレンタイム~優しい歌』の登場人物・キャスト

映画『タレンタイム~優しい歌』のキャストをご紹介します。

  • ムルー:パメラ・チョン
  • マヘシュ:マヘシュ・ジュガル・キショール
  • ハフィズ:モハマド・シャフィー・ナスウィップ
  • カーホウ:ハワード・ホン・カーホウ

映画『タレンタイム~優しい歌』のスタッフ

映画『タレンタイム~優しい歌』の作成スタッフをご紹介します。

  • 監督・脚本:ヤスミン・アフマド
  • 製作:アハマド・プアド・オナ
  • 音楽:ピーター・テオ
  • 編集:ラジャ・アファンディ、ファンディ・ジャマルデ