ハンガリーの雨の季節になると周囲から孤立してしまう村に、1年前に亡くなったはずのイリミアーシュが戻ってきた、という情報が入ります。
かつて魔術師と呼ばれたイリミアーシュは、村人たちに大きな利益をもたらす存在でした。
そのイリミアーシュが生きていたという情報を知り、村人たちは浮足立ち、話が続きます。
1994年4月28日に公開された映画『サタンタンゴ』は、この年代に作られながらも、モノクロ調で作られているのが特徴で、「7時間と18分」という、とても長い作品になります。
この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。
映画『サタンタンゴ』の予告編
<サタンタンゴ・予告編>
「サタンタンゴ」は、中央ヨーロッパにあるハンガリーを舞台にした映画作品です。
かつて魔術師と呼ばれ、亡くなったはずの主人公イリミアーシュが、舞台となる村へと帰って来るという内容です。
経済的に孤立した村では、特に楽しめることもなく、鬱屈した人々が暮らしていました。
その村人たちを、イリミアーシュが翻弄していきます。
映画『サタンタンゴ』の解説
「サタンタンゴ」は、ハンガリーを代表する映画監督の「タル・ベーラ」が1994年に公開した作品になります。
1994年に作られながらも、モノクロ調で作られているのが特徴です。
そして、4年という長い年月をかけて作られていて、タル・ベーラのこだわりが大いに反映されています。
そして、「7時間と18分」という、とても長い作品で、見終わった人に対して、タル・ベーラが「皆さんよく生き延びましたね」と称賛するほど、視聴に体力と精神力が必要です。
その長い映画の中には、登場人物の何気ない仕草など、一見しただけでは無駄に思えるようなシーンが、あえて大量に使用されています。
同じ時間で繰り広げられている事柄を、複数の視点から見る形となっています。
映画『サタンタンゴ』のあらすじ
サタンタンゴの作品の舞台となるのが、ハンガリーにある、とある村です。
雨の季節になると周囲から孤立してしまう村に、1年前に亡くなったはずのイリミアーシュが戻ってきた、という情報が入ります。
イリミアーシュは、かつて魔術師と呼ばれ、村人たちに大きな利益をもたらした存在でした。
そのイリミアーシュが生きていたということで、村人たちは浮足立ちます。
そして、戻ってきたイリミアーシュの言葉により、農園経営の企画が持ち上がります。
でも、イリミアーシュは、密かに手を回して、村人たちが散り散りになる計画を立てていました。
そのようにして、農園経営計画は、村人やイリミアーシュたちそれぞれの思惑を乗せて進んでいくというストーリーです。
映画『サタンタンゴ』のみどころ
「サタンタンゴ」の一番の特徴と言えるのは、7時間18分というとても長い時間です。
通常の映画の、およそ3倍から4倍程度の長さがあります。
そして、全部で150カットという、少ない構成となっています。
単純計算で、1シーン辺り3分弱の、長回しカメラワークということになります。
そのため、場面が途切れてしまうことをあまり意識せずに、世界観に没入しやすいです。
したがって、可能であれば、全部を通して視聴することをおすすめします。
長尺なのに、さらに数の少ないカットによって、舞台となった村に入り込んで、登場人物を間近で眺めているような感覚を味わえるでしょう。
映画『サタンタンゴ』の感想
「サタンタンゴ」は、7時間越え、という長さが特徴の異色の映画です。
体力と精神力が必要である上に、この映画を観るための時間を作るのも難しいかもしれませんね。
しかし、理由があって長尺の作品となっているため、できることなら、日をまたぐことはせずに、すべて通して観てみましょう。
映画『サタンタンゴ』の登場人物・キャスト
サタンタンゴの登場人物・キャストをご紹介します。
イリミアーシュ:ヴィーグ・ミハーイ
ペトリナ:ホルヴァート・プチ
クラーネル:デルジ・ヤーノシュ
フタキ:セーケイ・B・ミクローシュ
エシュティケ:ボーク・エリカ
医師:ペーター・ベルリング
映画『サタンタンゴ』のスタッフ
サタンタンゴのスタッフをご紹介します。
監督:タル・ベーラ
共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
脚本:タル・ベーラ
原作:クラスナホルカイ・ラースロー
脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
撮影監督:メドヴィジ・ガーボル
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集:フラニツキー・アーグネシュ