映画『マルケータ・ラザロヴァー』のあらすじとレビュー|部族間抗争や宗教など大きな流れに主人公が振り回される作品

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ロハーチェックの領主であるコズリークは、ザクセン公国と対立し、息子に、伯爵の息子を誘拐して、捕虜にするよう命じ、話は続きます。

1967年11月24日に公開された映画『マルケータ・ラザロヴァー』は、1994年に開催されたカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で、チェコの歴代最高映画だと称されています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『マルケータ・ラザロヴァー』の予告編

<マルケータ・ラザロヴァー・予告編>

13世紀のボヘミア王国では、領主であるコズリークが、盗賊としても活躍していました。

そして、伯爵の息子を誘拐します。

それに対抗するために国王が部隊を送るなど、対立は激化していきます。

その一方で、オボジシュテェという土地では、領主の娘のマルケータが、修道女になるために生活をしていました。

そこへ、コズリークの息子であるミコラーシュが、同盟のためにやって来ます。

映画『マルケータ・ラザロヴァー』の解説

「マルケータ・ラザロヴァー」は、1967年に作られたチェコスロバキアの映画です。

1931年に発表された、ヴラジスラフ・ヴァンチュラの同名小説が原作となっています。

原作は映像化が不可能だと言われていましたが、チェコスロバキアを代表する監督フランチシェク・ヴラーチルが、その映像化を実現しています。

13世紀のボヘミア王国が舞台となっていますが、撮影はその当時の生活を再現して行われました。

極寒の山奥での撮影は、548日に及んでいます。

そして、1994年に開催されたカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭では、チェコの歴代最高映画だと称されています。

映画『マルケータ・ラザロヴァー』のあらすじ

ロハーチェックの領主であるコズリークは、ザクセン公国と対立をしていました。

そして、息子であるミコラーシュとアダムに命じ、伯爵の息子クリスティアンを誘拐し、捕虜にします。

国王はそのコズリークを討伐するために、部隊を送り込みます。

その一方で、オボジシュテェでは、領主ラザルの娘であるマルケータが、平和に暮らしていました。

そこへミコラーシュが現れ、ラザルに同盟を持ち掛けます。

ラザルがそれを断ったため、報復としてマルケータが連れ去られ、暴行を受けてしまいます。

しかし、時間が経つに連れて、マルケータはミコラーシュに思いを寄せるようになります。

映画『マルケータ・ラザロヴァー』のみどころ

「マルケータ・ラザロヴァー」の見どころは、そのスケールの大きさです。

叙事詩的映画という扱いであり、部族間の抗争や宗教など、数多くの要素が含まれています。

そのような大きな流れに、主人公のマルケータはただただ振り回されていきます。

そして、マルケータの愛や、置かれた状況に対する憎悪などの感情が、ひしひしと感じられる作品となっています。

また、映像の美しさも、魅力のひとつです。

大自然の中で敢行した撮影で、動物も本物を使用しています。

そのようなリアリティのある作り込みなので、13世紀のチェコスロバキアの世界に入り込みやすいでしょう。

映画『マルケータ・ラザロヴァー』の感想

「マルケータ・ラザロヴァー」は、非常にスケールの大きな物語です。

そして、リアリティを追及して作られているため、世界観に入り込みやすいでしょう。

ただ、キリスト教や当時の政治情勢などが絡んでいるため、事前に下調べはしておいた方が、より楽しめるかもしれません。

映画『マルケータ・ラザロヴァー』の登場人物・キャスト

マルケータ・ラザロヴァーの登場人物・キャストをご紹介します。

マルケータ:マグダ・ヴァーシャーリオヴァー
コズリーク:ヨゼフ・ケムル
コズリークの妻:ナジャ・ヘイナー
ミコラーシュ:フランチシェク・ヴェレツキー
アダム:イヴァン・パルウィッチ
アレクサンドラ:パヴラ・ポラーシュコヴァー
ラザル:ミハル・コジュフ
伯爵:ハリー・スタッド
クリスティアン:ヴラスチミル・ハラペス
将軍ピヴォ:ズデニェク・クリザーネク
補佐官ソヴィチュカ:ズデニェク・ジェホシュ
ベルナルド:ウラジミール・メンシーク
修道院の副院長:カルラ・ハジモヴァー

映画『マルケータ・ラザロヴァー』のスタッフ

マルケータ・ラザロヴァーのスタッフをご紹介します。

監督:フランチシェク・ブラーチル
原作:ブラジスラフ・バンチュラ
脚本:フランチシェク・ブラーチル フランチシェク・パブリーチェク
撮影:ベドジフ・バチュカ
美術:テオドール・ピステック
衣装:テオドール・ピステック
音楽:ズデニェク・リシュカ