映画『春江水暖(グーシャオガン)』のあらすじとレビュー|変化の激しい中国社会の家族の生き様を描いた作品

洋画

それぞれの家族が、近代社会の発展の中で大きな変化の波に巻き込まれていく様子を描いた物語です。

2021年2月11日に公開された映画『春江水暖(グーシャオガン)』の舞台は、再開発の真っ只中にある杭州市・富陽地区です。

この作品のみどころや解説、感じた事などをご紹介します。

映画『春江水暖(グーシャオガン)』の予告編

<春江水暖(グーシャオガン)・予告編>

本作は、大家族のパーティーの場面で始まります。

それは同家族の家長の誕生パーティーで、彼の4人の息子が集っていました。

息子たちはそれぞれ問題を抱えており、4人の間にも軋轢がありました。

長男の娘グーシーは同僚と恋愛関係にありましたが、身分の違いから結婚を家族に反対されます。

次男は漁師でしたが、息子には知的障害がありました。

それぞれの家族は、近代社会の発展の中で、大きな変化の波に巻き込まれていくのでした。

映画『春江水暖(グーシャオガン)』の解説

本作は、富陽の美しい自然を舞台に、変化の激しい中国社会でもがく大家族の生き様を描いた作品です。

シャオガン監督の長編デビュー作でもあり、2019年の第72回カンヌ国際映画祭では、批評家週刊のクロージング作品に選出されました。

その他、第20回東京フィルメックスのコンペティション部門の審査員特別賞を受賞しています。

本作の舞台は再開発中の杭州市富陽地区です。

母親の誕生日に、4人の息子と親戚が集まっていました。

祝宴の最中に彼女が脳卒中で倒れ、その後認知症になるという話です。

因みに、出演者の大半はシャオガン監督の親戚等となっています。

映画『春江水暖(グーシャオガン)』のあらすじ

場面は、再開発の只中にある杭州市・富陽地区です。

同地区の顧家では、家長である母親の誕生日を祝う祝宴が開かれていました。

そこには、母親の4人の息子の他、親戚筋の人々が集まっています。

祝宴の最中、突如として母親が脳卒中で倒れてしまいます。

その後、彼女は認知症を発症し、介護生活を余儀なくされます。

一方、4人の息子たちも、それぞれが問題を抱えていました。

長男は「黄金大飯店」という店を経営していましたが、娘グーシーの結婚問題で悩みを抱えています。

次男は漁業を生業としていましたが、男手一つでダウン症の息子を育てていました。

三男は独身生活を謳歌していましたが、闇社会に足を踏み入れてしまうのでした。

映画『春江水暖(グーシャオガン)』のみどころ

本作の見どころの一つは、雄大な春江の四季の移りです。

その美しい風景の中に、一つの家族の生き様が交差するわけです。

片や、杭州市・富陽地区では激しい再開発が行われています。

それらは、観る者に土地と人間との深いかかわりというものを感じさせます。

本作では様々な家族の生きざまが映し出されますが、場面によって斬新な撮影方法が採られています。

そこには、シャオガン監督の映像美に対するこだわりが感じられます。

登場する役者の大半は素人ですが、引きの画にすることでリアリティが演出されているものです。

こうした手法も、グー・シャオガン監督の持ち味となっているわけです。

映画『春江水暖(グーシャオガン)』の感想

本作の魅力は絵巻物のような作風と、その中に生きる人々のリアリティにあります。

役者の大半は素人ですが、シンプルな人生を描くにはピッタリと言えます。

それでも、一つ一つの人生を注視すれば、そこに新たな表現が追求されているのが分かるものです。

映画『春江水暖(グーシャオガン)』の登場人物・キャスト

春江水暖(グーシャオガン)の登場人物・キャストをご紹介します。

ヨウフー:チエン・ヨウファー
フォンジュエン:ワン・フォンジュエン
ヨウルー:ジャン・レンリアン
アイン:ジャン・グオイン
ヨウジン:スン・ジャンジェン

映画『春江水暖(グーシャオガン)』のスタッフ

春江水暖(グーシャオガン)のスタッフをご紹介します。

監督:グー・シャオガン
脚本:グー・シャオガン
撮影:ユー・ニンフイ、ドン・シュー
音楽:ドウ・ウェイ