濃い霧に隠されて見えない何かに対する恐怖が、パニック状態にある人の心を蝕んでいく様子をエンディングまで畳み掛けてくるSFホラー映画です。
2008年5月10日に公開された映画『ミスト』は、全米とカナダで公開されると、一週間で893万ドルを超える興行収入をあげた。
この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。
映画『ミスト』の予告編
<ミスト・予告編>
買出しに訪れたスーパーで、デヴィッドと息子のビリーは、濃い霧に包まれた先に何かがあると言い飛び込んできた男、ダンの一言で、外界と隔離されてしまいます。
同じくスーパーを訪れていた狂信者の女カモーディが、これはアルマゲドンだと言い出しますが、周囲には相手にされません。
そんな中、外の様子を見に行く人々が帰って来なくなり、徐々にカモーディの言葉を信じる者達が増えて行くのでした。
映画『ミスト』の解説
本作はスティーヴン・キングの小説(1980年発行)を元にしたSFホラー映画です。
監督は、同じくスティーヴン・キング原作の小説を元に「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」の監督も手掛けたフランク・ダラボンです。
脚本も務めたタラボン監督が映画化の構想を思い描いてから約20年を経て、原作とも異なる脚本を書き下ろした、タラボン監督渾身の作品です。
2007年11月21日に全米とカナダで公開されるや、一週間で893万ドルを超える興行収入をあげました。
全米とカナダでの興行収入は最終的に2559万ドルを超え、全世界では5747万ドルをあげています。
映画『ミスト』のあらすじ
芸術家デヴィッドは、嵐の翌日、湖を覆う霧を見ながらも、備蓄の補充に息子のビリーと隣人のブレントを連れて街へと向かいました。
スーパー内から、濃い霧で速度規制が始まる様子を見ていた二人の前に、男が駆け込み、霧の中に何か潜んでいると訴えます。
慌てて店員たちがシャッターを閉めた後に、スーパーは霧に包まれて孤立してしまうのでした。
デヴィッドの制止を聞かず、外に出ようとした店員を何かが攫っていく様子を目にした店員達は、急いでバリケードを作ります。
そんな中、狂信者のカモーディがこれはアルマゲドンの始まりだと主張し始めたのです。
その様子に、人々が懐疑的な目を向ける中、店員が攫われる現場を見ていない人々は救助を求めに外へ行くべきだと主張し出て行ってしまいます。
そんな一人にロープを付けさせていたデヴィッド達でしたが、突如強い力でロープを引っ張られた後、反応しなくなったロープを引き寄せて驚愕するのでした。
映画『ミスト』のみどころ
小説と異なるエンディングを用意したタラボン監督は、スーパーの外にある恐怖よりも、中に囚われてしまった人々の恐怖、恐怖に耐えきれずに壊れていく友人や隣人を描いたのだとTIMES誌に明かしています。
濃い霧に隠されて見えない何かに対する恐怖が、人の心を蝕んでいく様子は緩和が一切ない緊迫の連続で、エンディングまで一気に畳み掛けてくれます。
パニック状況下で、何が正解か解らない状況で何とか正しくあろうとするデヴィッド役を演じたトーマス・ジェーンの演技は秀逸かつ見どころです。
自分ならどんな選択をしただろうかと考えされられます。
映画『ミスト』の感想
とにかく怖い映画です。
わからないモノの存在に翻弄されて変わってしまう人の様子に、スタンフォード監獄実験を思い起こさせられもしますし、霧の中からやってくる未知の生き物に戦慄させられます。
そして、タラボン監督の描いたエンディングを手放しで賞賛したスティーヴン・キングが描いたエンディングを読んでみたくなる作品です。
映画『ミスト』の登場人物・キャスト
ミストの登場人物・キャストをご紹介します。
デヴィッド・ドレイトン:トーマス・ジェーン
アマンダ・ダンフリー:ローリー・ホールデン
ビリー・ドレイトン:ネイサン・ギャンブル
オリー・ウィークス:トビー・ジョーンズ
ミセス・カーモディ:マーシャ・ゲイ・ハーデン
ジム・グロンディン:ウィリアム・サドラー
ブレンド・ノートン:アンドレ・ブラウワー
ダン・ミラー:ジェフリー・デマン
家に子供を残してきた女性:メリッサ・マクブライト
映画『ミスト』のスタッフ
ミストのスタッフをご紹介します。
監督:フランク・ダラボン
脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
製作:フランク・ダラボン、リズ・グロッツァー
製作総指揮:リチャード・サパースタイン
:ボブ・ワインスタイン
:ハーヴェイ・ワインスタイン
音楽:マーク・アイシャム
撮影:ロン・シュミット
編集:ハンター・M・ヴィア