2010年2月27日に公開された映画『第9地区』。
この記事では、映画『第9地区』のあらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『第9地区』の予告編
スラム街化したエイリアンの居住地、“第9地区”に国家から立ち退き要請が下る。
MNUの職員ヴィカスは“第9地区”にて立ち退き交渉をしていたが、そこで謎の液体を浴びてしまう。
液体の影響により、体が徐々にエイリアンに変化していくヴィカスは、国家組織から追われる事に なってしまう。
ヴィカスは人間に戻る事ができるのだろうか。
映画『第9地区』のあらすじ
南アフリカ共和国に巨大な宇宙船が現れる。
宇宙船は故障しており、その中には大量の エイリアンが乗船していました。
難民となってしまったエイリアンらは、超国家機関MNUによって管理される事になります。
数年後、 スラム街となってしまった第9地区は移動させる事になります。
立ち退き要請の為訪れていたヴィカスは、謎の液体を 浴び、徐々にエイリアン化していってしまいます。
ヴィカスはMNUに捕らえられて生体実験をされそうになりますが、隙をついて逃げ出します。
支配する側がされる側になってしまったのです。
彼は第9地区にむかい、液体の持ち主、エイリアンのクリストファー・ジョンソンに会いに行きます。
クリストファーは故障した宇宙船を起動して、故郷に帰還しようとしていました。
そこでヴィカスの浴びた液体は、宇宙船の燃料だったことを告げられます。
液体を組織から取り戻せば、体を元に戻すと提案されます。
ヴィカスとクリスファーは、燃料を奪う為にMNUに潜入をする事になります。
映画『第9地区』の解説
監督のニール・ブロムカンプによる自作のSF短編映画を長編化した作品となっています。
南アフリカのヨハネスブルクで起きた強制移住政策をベースに、弱者をエイリアンに例えて ロボットやアクションシーンなどを加えたエンターテイメント作品を作り上げました。
低予算で作られたこの作品は、キャストも無名俳優が多いものの評価も高くヒット作品となりました。
第28回アカデミー賞では、編集賞・視覚効果賞・脚色賞・作品賞でノミネートされ、 ゴールデングローブ賞など、多数の映画賞でノミネートされました。
また、ニール・プロムカンプ監督は、続編も制作予定だと発表しました。
執筆中で、今回も低予算となるそうですが、完成が期待されます。
映画『第9地区』のみどころ
エイリアンがとてもユーモラスに描かれています。
異様な外見をしていて、それが人間の様に生活しているのが最初は滑稽に映ります。
しかし、それぞれ個性があり、見慣れてくると“ちょっとかわいい”と思えてしまいます。
個人的にはエイリアンの子供がかわいいので是非チェックして欲しいです。
主人公のヴィカスの変化からも目が離せません。
外見の変化もさることながら、最初は淡々と業務をこなす嫌な役人のようなヴィカス。
逃走している間に心境に変化が起こり、隠していたかのように感情を露わにしていきます。
映画の後半にかけて加速していくようなSFらしい展開が繰り広げられていきます。
映画『第9地区』の感想
最初は、エイリアンの異質さや、人間の、管理という名の差別に嫌気を感じました。
現実でもマイノリティーが弱い立場になってしまう世の中です。
それをエイリアンが代弁しているかの様な形で、SF感の薄い物語が進んでいき、若干不安になるかもしれません。
その中で、 弱者を見下していた主人公のヴィカスが、エイリアン化していく事で話が展開していきます。
この映画のすごい所は、低調な雰囲気を後半にかけてSFらしいバトルアクションへと昇華させていく 所だと思います。
低予算さを感じさせないジェットコースタームービーです。
映画『第9地区』の登場人物・キャスト
映画『第9地区』のキャストをご紹介します。
- ヴィカス・ファン・デ・メルヴェ:シャールト・コプリー
- クーパス大佐:デヴィッド・ジェームズ
- クリストファー・ジェンション:ジャイソン・コープ
- タニア・ファン・デ・メルヴェ:ヴァネッサ・ハイウッド
映画『第9地区』のスタッフ
映画『第9地区』の作成スタッフをご紹介します。
- 監督:ニール・ブロムカンプ
- 脚本:ニール・ブロムカンプ 、テリー・タッチェル
- 制作:ピーター・ジャクソン、キャロリン・カニンガム
- 音楽:クリントン・ショーター
- 制作総指揮:ケン・カミンズ、ビル・ブロック