映画『ソイレントグリーン』のあらすじとレビュー|経済格差が生むものや人間が増加の一途を辿った時の末路を描いた作品

洋画

格差社会の中で肉や野菜などの本物の食料が宝石以上に高価なものとなり、特権階級以外のほとんどの人は、プランクトンから作った合成食品の配給で生き延びている、そんな世界を描いた作品です。

1973年6月9日に公開された映画『ソイレントグリーン』は、1974年のアヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭において、グランプリ受賞とサターンSF映画賞を受賞しています。

この作品のみどころや感想、感じたことをご紹介します。

映画『ソイレントグリーン』の予告編

<ソイレントグリーン・予告編>

ハリイ・ハリスンの小説である「人間がいっぱい」を、スタンリー・R・グリーンバーグが脚本にしたディストピアSF映画です。

物語は人口の増加が一途を辿ったことで、世界には食と住を失った人間が路上にまで溢れていました。

そして社会には、ほんの一部の特権階級と大多数の貧民という格差が生まれているという設定で、物語が広がっていきます。

映画『ソイレントグリーン』の解説

ソイレイトグリーンは、ハリイ・ハリスンの小説「人間がいっぱい」を原作としています。

アメリカでは1973年5月9日に、日本では翌月の1973年6月9日に公開されました。

配給はMGMが担っています。

1974年のアヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭において、グランプリ受賞とサターンSF映画賞を受賞し、エドワード・G・ロビンソンにとっては、この作品が遺作となりました。

またタイトルの「ソイレント」は、大豆の「soybean」とレンズ豆の「Lentil」を合わせたものから連想して作られたオリジナルの造語とされています。

映画『ソイレントグリーン』のあらすじ

激しい格差社会のなかで、肉や野菜などの本物の食料品は、宝石以上に高価なものになっていました。

特権階級以外のほとんどの人間は、ソイレント社がプランクトンから作った合成食品の配給によって、かろうじて生き延びている状態でした。

そんな中のある日、ソイレント社の幹部であるサイモンソンが亡くなります。

ニューヨークに住んでいたソーン刑事は、同居人である老人のソルの協力を得ながら捜査に乗り出すものの、様々な妨害を受けることになります。

そして、新製品である「ソイレント・グリーン」の配給中断によって起きた暴動の騒ぎに紛れて、襲われそうになるのでした。

映画『ソイレントグリーン』のみどころ

自室に戻ったソーンは、ソルがホームと呼ばれる公営施設に向かったと聞いて慌てます。

真実を知ってしまったために、亡くなったソルをソーンが見届けることになるのでした。

ベートーヴェンの交響曲第6番である「田園」が流れます。

ソルが亡くなると、ソーンはソルの遺言に従って、裏づけのために身体の追跡をするのでした。

ソルのほかにもソイレイト社の工場にトラックで運び込まれていきます。

そしてソーンは亡くなった人間から、ソイレント・グリーンが作られているという事実を突き止めるのでした。

その後、やはり襲撃を受けたソーンは、担架によって搬送されながらも、真実を叫ぶのでした。

映画『ソイレントグリーン』の感想

当時は信じられないSF映画として描かれた本作品ですが、作品の舞台となった2022年である今の私たちにとって、肉や野菜が宝石よりも高価である時代というのは、想像が付かないわけではないでしょう。

格差が生むものや、人間が増加の一途を辿った時の末路が、本作品に描かれている気がします。

映画『ソイレントグリーン』の登場人物・キャスト

ソイレントグリーンの登場人物・キャストをご紹介します。

チャールトン・ヘストン:ロバート・ソーン
エドワード・G・ロビンソン:ソル・ロス
チャック・コナーズ:タブ・フィールディング
ジョゼフ・コットン:ウィリアム・サイモンソン
リー・テイラー=ヤング:シェリル

映画『ソイレントグリーン』のスタッフ

ソイレントグリーンのスタッフをご紹介します。

監督:リチャード・フライシャー
脚本:スタンリー・R・グリーンバーグ
音楽:フレッド・マイロー
撮影:リチャード・H・クライン
編集:サミュエル・E・ビートリー