2016年3月31日に公開された映画『ジョンフロム/John From』。
この記事では、映画『ジョンフロム/John From』のあらすじ・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『ジョンフロム/John From』の予告編
ポルトガル・リスボンの団地に住む15歳の少女リタは親友サラと共に、夏休みをただダラダラと過ごしていました。
そこへ近所に引っ越してきたシングルファーザーでフォトグラファーである中年男性に興味を抱き、退屈な日々から脱出しようと試みます。
思春期の主人公の想像力が刺激を受け、周りで渦巻く出来事をマジカルに映し出している物語です。
映画『ジョンフロム/John From』のあらすじ
親は仕事で旅行の予定もない、リズボンの街で夏のバカンスを過ごすリタは飽き飽きした毎日に嫌気が差していました。
冴えない夏休みに親友のサラと、新しい隣人の話をします。
隣人はフィリッペという中年写真家。
恋人がいるにも関わらず、シングルファーザーであるフィリッペが気になり、様子を伺うリタ。
ある日フィリッペの展示会で見たメラネシア文化の写真に衝撃を受けます。
それ以来、それから頭が離れなくなったリタ。
退屈だった日常に魔法がかけられていきます。
実際に見たことのないメラネシアに取り憑かれていくに連れて、次々とリタの周りで不思議な出来事が起こり、幻惑的なフィリッペへの情熱に変っていきます。
映画『ジョンフロム/John From』の解説
2015年に公開された本作は、全てポルトガル国内で撮影され、上映後ブラジルでも劇場公開されています。
ポルトガルの新星ジョアン・ニコラウ監督は大学で人類学を学び、ミュージシャンとしても活躍する異色の経歴を持っています。
様々な経験からインスピレーションを受けた映画を製作しており、過去の作品はカンヌ国際映画祭で上映されるなど話題を集めました。
ポルトガルの暑い夏を背景に、明るい描写で彩る10代の少女の世界観を芸術的に映し出しています。
鮮やかな色彩効果と眩しい光、10代特有の開放的で新鮮な感情が入り混じるコメディ要素にも定評があり、イタリア・トリノ映画祭でも上映されています。
映画『ジョンフロム/John From』のみどころ
日本で上映される数少ないポルトガル映画で、ヨーロッパのある夏をテーマにした映画です。
主人公のリタが退屈で長い夏休みをどのように過ごすか。
苛立ちを感じながらも、あることをきっかけに変化する興味や感情、そして親友とのたわいない恋バナや喧嘩などと共に美しく描かれる映像美が見どころです。
リタが抱く中年男が持つ魅力が想像や空想と共に、幻想的に変わっていく様は、リタの気分や情熱までも動かしていきます。
ポルトガルのアパートの風景、ビーチなどを背景に2人の少女と、息子をもつ中年男という主要人物3人の個性的なキャラクター設定にもこだわった映像で製作されています。
映画『ジョンフロム/John From』の感想
本作は監督が自ら10代の少女と中年男性という悪い関係を持つイメージを、主人公の視点から新鮮で罪悪感のない展開で描かれています。
何気ない日常に予定もない憂鬱な長期休暇中に、少女が求めるのはある種の刺激や好奇心を満たす体験かもしれません。
映画『ジョンフロム/John From』の登場人物・キャスト
映画『ジョンフロム/John From』のキャストをご紹介します。
- リタ:ジュリアン・パリャ
- サラ:クララ・リデンシュテイン
- フィリッペ:フィリッペ・ヴァーガス
映画『ジョンフロム/John From』のスタッフ
映画『ジョンフロム/John From』の作成スタッフをご紹介します。
- 監督:ジョアン・ニコラウ
- 脚本:マリアナ・リカルド
- 衣装:スザナ・モウラ
- 編集:ジョアン・ニコラウ、アレクサンドロ・コモディン
- 製作:ブルーノ・ドゥアーテ、サイプレス・クック