映画『SMOKE(スモーク)』のあらすじとレビュー|嘘と分かっていながら相手の優しさとして受け止めそんな嘘を描いた作品

洋画

街角にオーギーが営むタバコ店があり、近所に住むポールがタバコを買いに店を訪れます。

ポールは売れっ子の作家でしたが、彼の妻は銀行強盗事件に巻き込まれ命を落としてしまい、ポールは仕事が手に付かなくなり、話は続きます。

1995年10月7日に公開された映画『SMOKE(スモーク)』は、第45回ベルリン国際映画祭で、審査員特別賞を獲得しています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『SMOKE(スモーク)』の予告編

<SMOKE(スモーク)・予告編>

舞台は、1990年代のニューヨーク・ブルックリンです。

主人公の一人・オーギーは、街角で小さなタバコ店を営んでいました。

店には常連客が集まり、たわいもない話をして盛り上がっています。

もう一人の主人公・常連客のポールは、7年前に発生した銀行強盗事件で、妻とお腹の子を失くしていました。

それ以来、彼は仕事が手につかずに悩みの日々を送っています。

そんなある日、ポールはオーギーに自身の写真集を見せられます。

そこには生前の妻が写っており、ポールは号泣するのでした。

映画『SMOKE(スモーク)』の解説

本作は1995年制作のヒューマンドラマ映画で、アメリカ・日本・ドイツの合作となっています。

原作は「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」で、作者のポール・オースターが脚本も手掛けています。

オーギー役は「タクシードライバー」で有名なハーヴェイ・カイテルで、ポール役は「蜘蛛女のキス」のウィリアム・ハートが務めています。

題名である「スモーク」とは、煙草(たばこ)の煙を意味しています。しかし、人生における「儚さ」も意味されています。

但し、その儚さの中に何某かの存在価値があるものです。

因みに、本作は第45回ベルリン国際映画祭で、「審査員特別賞」を獲得しています。

映画『SMOKE(スモーク)』のあらすじ

1990年の夏、NY・ブルックリンの街角にオーギーが営むタバコ店がありました。

店内では、いつもの顔ぶれが世間話に花を咲かせています。

そんな時、近所に住むポールがタバコを買いに店を訪れます。

彼が帰った後、オーギーは親友でもあるポールについて客たちに話し始めます。

ポールは売れっ子の作家でしたが、妻を失くして依頼、仕事が手に付かなくなっていました。

彼の妻は、妊娠中に銀行強盗事件に巻き込まれて命を落としています。

店を出たポールは、ぼんやりしていた為にクルマに轢かれそうになります。

そんな彼を、ラシードという黒人の少年が助けるのでした。

映画『SMOKE(スモーク)』のみどころ

本作の見どころの一つは、オーギーが自分の写真集をポールに見せる場面です。

ある日、煙草を買いに来たポールが、店に置いてあるカメラに興味を示します。

そこでオーギーは、自分が撮った写真を見せようと彼を自宅に招きます。

オーギーの日課は、決まった場所での写真撮影でした。

彼の写真は、すでに、4000枚以上にも、及んでいました。

ポールは、写真がどれも同じようなものだったので、アルバムをめくりながら適当に眺めていました。

オーギーは、一枚一枚が違う写真であり、丁寧に観て欲しいと言います。

ポールが言われたとおりにすると、妻の姿が写った写真を見つけるのでした。

映画『SMOKE(スモーク)』の感想

都会の片隅では、時には、はかないウソが人を癒すこともあります。

はかないウソは、煙草の煙のように人々を包んで消えていきます。

登場人物たちは、ウソと分かっていながら相手の優しさとして受け止めます。

本作は、そんな嘘を描いた作品として秀逸なものがあるわけです。

映画『SMOKE(スモーク)』の登場人物・キャスト

SMOKE(スモーク)の登場人物・キャストをご紹介します。

オーギー:ハーヴェイ・カイテル
ポール:ウィリアム・ハート
トーマス:ハロルド・ペリノー・ジュニア
サイラス:フォレスト・ウィテカー
ルビー:ストッカード・チャニング

映画『SMOKE(スモーク)』のスタッフ

SMOKE(スモーク)のスタッフをご紹介します。

監督:ウェイン・ワン
脚本:ポール・オースター
原作:ポール・オースター
製作:ピーター・ニューマン、グレッグ・ジョンソン他
音楽:レイチェル・ポートマン
撮影:アダム・ホレンダー