地方紙記者の玲子は、旅する道中で不思議な出来事と不思議な人に次々と遭遇します。
そして長岡空襲や新潟中越地震の被害から立ち直ってきた長岡の歴史と深く関わっていることに気づき、話が続きます。
2012年4月7日に公開された映画『この空の花 長岡花火物語』は、大林宣彦監督にとって自身初めてとなる全編におけるデジタル撮影によって製作された長編劇映画です。
この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。
映画『この空の花 長岡花火物語』の予告編
<この空の花 長岡花火物語・予告編>
新潟県長岡市を訪れた、新聞記者である遠藤玲子は、様々な出会いをします。
2004年に起きた新潟県中越地震を乗り越え、復興に至った長岡市は、2011年に発生した東日本大震災の被害に対していち早く被災地の援助を開始しました。
玲子はその土地の取材をするために、そして元恋人から玲子へ寄せられた手紙に引き寄せられるように、長岡市を訪れたのでした。
映画『この空の花 長岡花火物語』の解説
「この空の花 -長岡花火物語」は、「長岡映画」製作委員会のもと、PSCとTMエンタテインメントが配給を担い、東日本大震災が発生した翌年にあたる2012年4月7日に公開されました。
1945年の長岡空襲と、その後、開催されることになった長岡花火を描いたセミドキュメンタリー映画となっていて、これは大林宣彦監督にとって、自身初めてとなる全編におけるデジタル撮影によって製作された長編劇映画です。
主題歌は伊勢正三の「それは遠い夏」が使用されました。
また、2015年8月18日と8月25日の2週にわたって、新潟ローカルにて、テレビ放映されています。
映画『この空の花 長岡花火物語』のあらすじ
地方紙記者の玲子は、新潟県長岡市で暮らしているかつての恋人である教師の片山から、生徒が創作したという「まだ紛争には間に合う」という舞台と、長岡の花火を見てほしいという手紙を受け取ります。
この機会を生かして、玲子は東日本大震災の時、いち早く被災者を迅速に受け入れることを表明した長岡の様子を見て回ることにしようと思いました。
玲子は市内を旅する道中で、不思議な出来事と、不思議な人に次々と遭遇することになるのでした。
それらの全てのことは、長岡空襲や新潟中越地震の被害から立ち直ってきた長岡の歴史と深く関わっていることに気付き始めます。
映画『この空の花 長岡花火物語』のみどころ
物語の至るところに散りばめられた「反戦」のメッセージが映し出されます。
「まだ紛争には間に合う」という舞台を書いたという女子学生・元木花を中心として、長岡空襲から始まり、続いていく長岡市の記憶や歴史が鮮やかに蘇り続けます。
そして、玲子自身の旅もまた、過去、現在、未来といった時間が複雑に絡み合い、またそれらが超越したものへと姿を変えていきます。
最後の幽霊学生たちの舞台劇「まだ紛争には間に合う」は、過去と交錯した状態で流れる中、花火大会が融合していくかのように感じられ、この映画が問いかけたいものが映し出されます。
映画『この空の花 長岡花火物語』の感想
復興支援とか、反戦とか、あるいは人に優しく、と言うのは簡単で、きっと誰もがそうしなければと思っているのでしょうが、実際、何ができるのだろうと思わされました。
見ているこちらの情緒が時に揺らがされるような作品です。
映画『この空の花 長岡花火物語』の登場人物・キャスト
この空の花 長岡花火物語の登場人物・キャストをご紹介します。
遠藤玲子:松雪泰子
片山健一:髙嶋政宏
元木花:猪股南
井上和歌子:原田夏希
高橋良:森田直幸
松下吾郎:筧利夫
三島貴:池内万作
村岡秋義:笹野高史
映画『この空の花 長岡花火物語』のスタッフ
この空の花 長岡花火物語のスタッフをご紹介します。
監督:大林宣彦
脚本:長谷川孝治、大林宣彦
製作:大林恭子、渡辺千雅
音楽:久石譲、山下康介