映画『酔っぱらった馬の時間』のあらすじとレビュー|苦しい生活を生きるクルド人の子どもたちを描いた作品

洋画

難病の兄の治療費を稼ぐため、他の家族を養うため、危ない仕事で国境警備隊に見つかりながらも、イラクへ物資を密輸するという運び屋の仕事がリアルに描かれている作品です。

2002年10月5日に公開された映画『酔っぱらった馬の時間』は、カンヌ国際映画祭で新人監督賞を受賞し、シカゴ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しています。

この作品のみどころや感想など、感じたことをご紹介します。

映画『酔っぱらった馬の時間』の予告編

<酔っぱらった馬の時間・予告編>

バフマン・ゴバディ監督・脚本のイラン映画です。

クルディスタンという、イラクとの国境の近いイランで、苦しい生活を生きるクルド人の子どもたちを描いています。

クルド人である少年が主人公で、5人兄弟と父親との生活をしています。

密輸品を運ぶ仕事をしていたが、父親が地雷を踏んで亡くなってしまいます。

難病の兄を助けるため、生きるために危ない仕事をしていきます。

映画『酔っぱらった馬の時間』の解説

2000年に公開されたイラン映画です。上映時間は80分で、クルド語とペルシャ語で製作されています。

高い評価を受けており、カンヌ国際映画祭で新人監督賞や、シカゴ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しています。

日本では、日本劇場未公開作品としてCS放送の洋画専門チャンネルで公開された後、2002年に劇場公開されることになりました。

2002年ランキング結果では、外国映画6位となっています。

世界最大の少数民族であるクルド人にスポットが当てられた作品で監督自身がクルド人であり、本人の経験がこの作品に強く影響しています。

映画『酔っぱらった馬の時間』のあらすじ

イラン領のクルディスタントが舞台になります。

世界最大の少数民族であるクルド人の主人公は、12歳の少年です。

母を亡くし、障害を持つ兄と、父、長女と妹二人での5人兄弟で生活をしています。

密輸品を運ぶなどの危ない仕事をして生計を立てていますが、ある日、父親が仕事中に地雷を踏んで亡くなってしまいます。

頼れる大人が居ず、主人公の少年は、学校を止めて密輸品を運ぶ仕事を仲介するようになります。

難病の兄の治療費を稼ぐため、他の家族を養うため、一生懸命に働いています。

ですが、危ない仕事で国境警備隊に見つかりながらも、なんとか積荷を放り投げて何とかイラクに入ります。

映画『酔っぱらった馬の時間』のみどころ

作品の中で、働いている主人公の少年や、そのほかの子どもたちの姿がとてもリアリティがあり、みどころとなっています。

イラクへ物資を密輸するという運び屋の仕事など、リアルに描かれていることから、演技なのかドキュメンタリーなのかわからなくなります。

幼い少年少女が過酷な仕事をしていたり、家族のために少女が結婚をすることになったり、とても衝撃的なシーンです。

この作品の題名にもつながる、山を越えるさいにラバの飲み水を注ぎこむ画面が印象的です。

クルド人の少年少女のリアルな現状や、過酷な中でも家族のために一生懸命動く姿というのが、見どころです。

映画『酔っぱらった馬の時間』の感想

この作品を見ていて、自分よりも幼い少年少女が、生きるため・家族のために一生懸命生活をしているのが、とても、感動するところで、心に刺さります。

自分の知らない世界のことを知れて、これから自分に何ができるだろうと考えさせられる映画になります。

映画『酔っぱらった馬の時間』の登場人物・キャスト

酔っぱらった馬の時間の登場人物・キャストをご紹介します。

次男アヨブ:アヨブ・アハマディ
次女アーマネ: アーマネ・エクティアルディニ
長男マディ:マディ・エクティアルディニ
長女ロジーン:ロジーン・ユネシ
キャリム・エクティアルディニ
サルタブ村およびパネー市の人々

映画『酔っぱらった馬の時間』のスタッフ

酔っぱらった馬の時間のスタッフをご紹介します。

製作・監督・脚本: バフマン・ゴバディ
撮影:サイド・ニクザート
音楽:ホセイン・アリザデ
編集:サマド・タワゾイ
録音:モルテザ・デーナビ
メーディー・ダラビ
助監督:アリ・レザ・アミニ